地域のミューズを発掘するメディア
これまでの歩み
栃木県から福岡県へのUターン転職を考える中で、「裁量を持って働けること」「システム開発に携われること」を軸に会社を探していました。そのときに出会ったのが、クアンドです。
転職して最も大きく変わったのは、「自分で決める幅が大きく広がったこと」。富士通にいた頃はまだ経験が浅かったこともあり、上司や組織からの指示に沿って業務を進めることがほとんどでした。一方クアンドに入ってからは、どのような過程を踏み、どのようにアクションを取るかを自ら考え、実行していく必要がありました。
入社当初はエンジニアとして機械学習系のAIモデル開発に携わりつつ、プロジェクトマネージャーを担当するなど次第にマネジメント寄りの役割が増えていきました。その後はお客様に近いカスタマーサクセスとして、導入支援や活用支援にも関わっています。現場のお客様の声を開発チームに落とし込みながら、お客様のサポートも担当し、双方の調整役を担っていました。
当時、南都技研は社員が13人ほどで年齢層も高く、平均年齢は50代後半、年齢が近い人でも一回り以上歳が離れていました。私が親会社側から来た立場ということもあり、社員の皆さんからは「上から指示されるのではないか」と警戒されていた部分もあったと思います。そこでまずは、南都技研が大切にしてきたこと、価値観の違いを受け止めることを考えました。
意識したのは「役に立つ人間だと思ってもらうこと」。まずはExcelのマクロ作成やパソコンのトラブル対応など、小さな困りごとをサポートすることで、皆さんに「この人は助けてくれるんだ」という認識が生まれ、距離を縮めるきっかけになりました。またIT用語を避け、例えば「業務フロー」を「一連の業務手順」と言い換えるなど、相手に伝わる言葉で話すことも心がけました。その繰り返しの中で、少しずつ本音に触れる会話が増えていきました。
今では一緒に会社を良くしていく仲間として受け止めてもらえていると感じています。「社内で笑顔が増えた」という声もあり、雰囲気も変化してきています。
南都技研社長・多田さんと話す新家さん
新家遼士さんの未来地図
01
測量および補償コンサルタント事業を展開する南都技研で、デジタル技術を活用し、仕事の進め方や会社の仕組みそのものを変える「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進を担っています。
具体的には、全社員が生成AIツールを使える環境を整え、会計や勤怠管理などのバックオフィス業務をデジタル化しました。また現場業務ではタブレットやアプリを導入し、これまで1週間かかっていた作業を2〜3日で完了できるようにするなど、業務の効率化を図っています。これらの取り組みを通じて、組織全体の生産性向上や事業成長を図るとともに、採用にも関わりながら、組織のアップデートを進めています。
02
南都技研での活動をすることになったきっかけは、私が所属していたクアンドが南都技研をM&Aしたことでした。新たな事業展開の中で、現場に入り込んで変革を担う役割が必要になり、私は真っ先に、自分に行かせてほしいと社長に直談判しました。それは「日本の技術者の待遇を向上させたい」という思いがあったからです。ここでいう技術者とは、IT系に限らず、建設業や製造業などの現場で、知識と経験を活かす職種を指しています。
高等専門学校時代、将来は優秀な現場の技術者になるであろう同級生も多くいました。しかし、現場の技術者の待遇が十分とは言えない状況を感じており、その道を選ぶ人は少なかったんです。だからこそ、技術者の力を最大限に引き出し、事業成長や売上に結びつけることで、正当な評価と待遇改善につなげたいと考えるようになりました。
DXによる業務の改善によって、売上が伸び、給与や賞与として還元されることで、自分たちのアクションが成果につながっていることを実感できます。こうした実感がモチベーションとなり、仕事のやりがいにつながっています。
03
転籍後のこの1年は細かな改善の積み重ねが中心でしたが、次の1年はより大きな変化を実現していきたいと考えています。例えば、これまで現場での調査にベテランの技術者が3〜4人で数日かけて対応していた作業を、2人で対応できるようにするなど、業務プロセスそのものの見直しに取り組みたいです。クアンドの技術を活用しつつ、必要に応じて現場で使う業務アプリの開発も視野に入れています。
この建設関連業界に入って印象的だったのは働く方々の年齢層の高さです。これまでと同じ水準で事業を継続していくためには、現在働いている方々への価値提供はもちろん、将来の担い手を見据えた技術的な変革が必要だと感じています。
将来的には、地域にいながらも都心部と遜色ない待遇(給与や働き方など)を得られる選択肢をつくっていきたいと思っています。待遇を上げるためには、それに見合う売上や事業としての価値貢献が不可欠です。一人あたりの生産性を高め、結果として生まれる売上や利益をしっかりと技術者に還元していく。そうした循環をつくっていきたいです。
新家遼士さんに10のQuestions!
Q1
M&Aから約1年が経った南都技研の忘年会で、元オーナーである社長が冒頭のあいさつ中にほっとしたような表情で涙を流された場面が、とても印象に残っています。高い目標の達成が見えていたことや、大きな変化の中でも社員が一人も辞めていなかったことから、これまでの決断が間違っていなかったと感じられたのだと思います。
Q2
AIの進化による働き方の変化。特に、現場での作業を中心とした技術者は、AIでは代替しにくい分野として再評価されている点に注目しています。
一方で、オフィス業務についてはAIの発達によって効率化が進んでいます。将来性を見据えてオフィス中心の仕事から技術者へ転職する動きも見られ、アメリカでは技術者の収入が上昇しているという話もあります。こうした変化は自分たちの業界にも直結するテーマだと捉えています。
Q3
自分の感覚を大切にしながら判断するタイプで、他者に貢献することに幸福を感じる人間です。
長所はコミュニケーション能力の高さと、不確実性の高い課題にも臆せず飛び込み、結果を出していけるところ。短所は、長期的な戦略を立ててプラン通りに進めていくことがあまり得意ではないです。
Q4
何も行動せずに、意見だけを述べるような姿勢は受け入れられないです。
Q5
60点。現在の会社に来て1年が経ち、一定の結果は出せたものの、運が良かった部分が大きく、まだ再現性が高いとは言えないため。
Q6
「まず自分でやってみる」
Q7
ずっとし続けるもの。これまで、自分としてはあまり意図的に挑戦してきたという感覚はありません。
Q8
クアンド在籍時にあります。自分がバリューを発揮できている実感がなく、そのポジションの存在意義を見失うようなことがありました。その際には自分ができることを探して、役割を少し変えることで乗り越えました。
Q9
私には社会的な大きなビジョンがあるわけではないので、大きなビジョンを持っている人の近くで、人やモノをつないで実現していくことが自分の役割だと思っています。
Q10
キャプテンや代表などの経験。多くの人とコミュニケーションをとる機会があり、人前で話すことへの抵抗がなくなったことは自分の人生において非常に大きかったと感じています。
※本記事の情報は、掲載日もしくは更新日時点のものです。(更新日: 2026年05月26日)
Profile
プロフィール
新家遼士/RyojiShinya
株式会社南都技研 執行役員/DX推進室長
1994年生まれ、福岡県出身。北九州工業高等専門学校卒業後、富士通株式会社に入社。栃木県で光通信機器のカスタマーサポート業務に約3年半従事したのち、2019年に福岡県のスタートアップ企業、株式会社クアンドへUターン転職。製造業や建設業向けのビデオ通話アプリの開発・提供をする同社で、エンジニアとしてシステム開発に携わり、その後はプロジェクトマネージャーやカスタマーサクセスとして現場支援を経験。2025年、M&Aを機に宮崎県の建設関連業、株式会社南都技研に転籍。DX推進を軸に、組織改革と事業成長に取り組んでいる。
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