地域のミューズを発掘するメディア
これまでの歩み
学生時代、夕方に家へ帰ってテレビをつけると、レポーターやタレントさんが旅に出たり、お店を訪ねて美味しいものを紹介するような情報番組がよくやっていて、「え、これ仕事なの?楽しそう!」と思っていました。それが、アナウンサーになりたいと思ったきっかけです。とはいえ、「華やかそう」といった憧れはあんまりなくて。単純に、いろんな場所に行って、いろんな人に会えることに強い魅力を感じていました。高校卒業後は、タレント事務所に所属して活動開始。それから20数年、この仕事を続けています。
福岡より東京のほうが刺激も多く、出会いもある。
「一度は東京で挑戦してみたい」と考えていました。そんな時に、とてもお世話になっていて、心から尊敬しているプロデューサーさんから、情報番組のMCのお話をいただいたんです。迷った末、東京に行くのはやめて、福岡でそのまま頑張ることに。結局、福岡にご縁があったんでしょうね。
20代は事務所に所属し、レギュラー番組にも恵まれて、比較的安定した環境で仕事をしていました。とてもありがたい時間だったと思っています。ただ、次第に「もう少し世界を広げてみたい」という気持ちが芽生えてきて。思い切って「自分の力で挑戦してみよう!」と、30歳の節目でフリーランスになることを決めました。
私は18年前から犬と暮らしていて、一度お別れも経験しましたが、その後また新しい子を迎え、今は2頭と一緒に暮らしています。そんな背景もあって、犬に関わるラジオ番組を担当することになったんです。情報を届ける立場になったことで、「感覚だけではなく、正しい知識を持って向き合いたい」と思うようになり、「愛玩動物飼養管理士」の資格を取得。勉強を進めるうちに、「知識を学ぶだけでなく、日常の中でできることがあるのでは」と感じるようになって。まずは家のわんこのために、無添加のおやつを手作りするようになりました。もともとものづくりが好きで、お菓子作りや美術にも興味があったので、わんこの似顔絵ケーキを作って友人に贈ったりもするように。そしたら、とても喜んでもらえたんですよね。そこからお願いされたら作るようになり、徐々にオーダーが入るようになって、そのうちブランドとして立ち上げたという感じです。「大きなビジネスにしたい」というより、「喜んでくれる人がいるなら、きちんと形にしてみようかな」という気持ちで始めました。レシピを作り始めたのが1年前くらいですね。
実は、30代後半はずっと不妊治療をしていたんですが、わんこのおやつを作り始めたのは治療をやめたこともきっかけでした。トータル6年間くらい続けたのですが、結局子どもに恵まれず、すごく落ち込んだりもしたんです。
同時に、子どもを産むことを諦めようと自分の中で決めた時に「じゃあこれからどうやって生きていこう」と考えたんですよね。治療中は手放した仕事もあったので、仕事が目減りしてからのリスタートでした。なので思考を切り替えて、子どもがいない人生を送るんだからやりたいことやろう、自分ができることをやっていこう、と考えるようになり、ブランドを作ったところもあります。
不妊治療についての体験談は、少しでも自分の経験が誰かに役に立てたらと、noteに綴っています。
山口玲香さんの未来地図
01
福岡を拠点に、テレビリポーター、ラジオパーソナリティ、イベントMCなど、フリーアナウンサー・タレントとして幅広く活動しています。
また近年は、わんこの無添加おやつブランド「Miley doggy food」を立ち上げ、ECサイトにて販売をスタート。おやつやケアアイテムはすべて手作りで、素材や製法にもこだわりながら制作しています。
02
原動力は、やはり「好奇心」でしょうか。
インタビューは、目の前の方に心から興味を持てなければ成立しない仕事だと思っています。その点、私はもともと好奇心が強く、「いろいろな方のお話を伺いたい」と自然に思える性分なので、この仕事は自分に合っているのかもしれません。
仕事全般に楽しさを感じていますが、特に惹かれるのはラジオとイベントですね。テレビはあらかじめ構成が決まっていることも多く、必ずしも自分の言葉だけで伝えられる場ではありません。一方でラジオは、生放送の中で、自分が選んだ言葉を通して思いを届けることができます。そこが魅力です。同時に、ラジオは人柄がそのまま表れるメディアでもあります。日々の積み重ねや学びを怠れば、それも自然と伝わってしまう。だからこそ、自分自身を磨き続けることが、この仕事の一部なのだと思っています。
ライブ感のあるイベントも好きですね。目の前にお客様がいらっしゃり、空気や反応を直接感じられるのは醍醐味です。終了後、主催の方の表情から手応えを感じられるのも魅力。やっぱり、“生”の良さはありますね。
03
メディアの仕事って、どれだけ自分がやりたいと思っていても、声をかけていただかなければ始まらない世界なので、どれだけ続けられるかな、というところはあります。それにテレビは4K、8Kと映像の解像度がどんどん上がっているので、正直なところ、シワシワのおばあちゃんになってまで前に立ち続けたいかと言われたら……そこは、若い世代にバトンを渡していくのも自然かな、と思っています。
その点、ラジオはこれからも続けていきたい存在です。形は変わるかもしれませんが、何かしらのかたちで発信はしていたい。文章を書くことも好きで、少しずつ自分が感じたことをブログで紡いでいます。いつか自分の言葉をまとめて、本にできたらいいな……なんて、ちょっとした夢もあったりします。
この10年ほどで、メディアの世界は本当に様変わりしました。SNSを使えば、発信の場は一気に広がりますし、世界ともつながれる。でもその一方で、ローカルの情報が必要とされている場面も確実にあると思っています。最近、ラジオの魅力があらためて見直されているのも、リスナーとの距離の近さや、声を通して心がつながる感じがあるからかもしれません。AIが当たり前になっていく時代だからこそ、ローカルならではの温度感や、人の気配が伝わる表現は、より大切になっていく気がしています。その中で、無理に目立つのではなく、「いてくれてよかった」と思ってもらえるような存在でいられたらいいですね。
もうひとつ、大切に育てているのが、無添加のわんこのおやつブランド「Miley doggy food」です。すべて一人で手作りしているので、たくさん作ることはできません。だから、きちんと売上が伸びてきたら、少しずつ人の手を借りて、次のステージに進めたらいいなと思っています。たとえば、子育て中のママが、空いた時間に少しだけ関われるような形。そんなふうに、無理のない関係が広がっていったら素敵ですよね。保存料を使ってまで数を増やしたいわけではありませんし、自分の目が届かないところまで大きくしたいとも思っていません。食材を選んで、手でつくって、安心してあげられるものを、これからも丁寧に届けていきたいです。「Miley doggy food」が、わんこと飼い主さんの日常の中でちょっとした楽しみになれたら。そんな未来を思い描いています。
山口玲香さんに10のQuestions!
Q1
20代の時に一緒に仕事していたディレクターさんから、「君は歳を重ねるほど面白くなるだろうね」と言われたことはとても嬉しかったし、「長くこの世界で生きていっていい」と太鼓判を押されたようでした。年齢を重ねながら、より自由に面白く私らしい表現を模索し続けることにつながっているように思います。
また、尊敬していたプロデューサーから「君は器用貧乏なタイプなんだよ」と言われて、当時は「え??」と疑問に思っていたけれど、本当にその通りだったと思います。わりといろんなことができるタイプではあるけれど、スペシャリストを名乗れるような突出した個性が弱いのは事実。最近ではオールランドプレイヤーと良いように捉えています(笑)。
特にラジオはリスナーさんから「いつも元気をもらっている!」と言っていただく機会が多く、その言葉に私も元気や勇気をいただいています。
Q2
ローカルでいうと、天神ビックバンが完了した街がどうなるのか楽しみでしかたがない!
九州、福岡初上陸のお店などもっと増えてほしいです。
趣味は海外旅行。為替が海外旅行には辛い状態が続いていますが、未踏の国はすべて興味津々です。
Q3
長所は好奇心と探究心が旺盛。基本的に真面目ですが楽天的。
短所は器用貧乏。自分にも厳しいが他人にも厳しくなりがち。
Q4
年齢のせいかもしれませんが、人生いろいろあるな〜と実感することが近年増えてきて、
久しぶりに会えた知人・友人が元気にしているだけで、めちゃくちゃ嬉しかったり、幸せな気分になったりします。コロナ禍で「人間関係を断捨離した!」なんて話もよく聞きますが、いつも連絡とっているわけでなくても、いいご縁が繋がっていたのだな、と実感すると嬉しくなります。
あとは身近に大好きな女性がいて、その方が好きだという作家・茨木のり子さんの詩集を読んだら涙が溢れました。年齢を重ねることでわかるようになる人生の機微。些細なことが美しく、儚く、人生は美しいと感じる日々です。
Q5
難しい!!!!
まだそんな段階にないのでスルーしたい質問ですが、60点。何せ器用貧乏なタイプなので。
Q6
メディアの仕事は選んでもらわないと仕事がない世界。選んでもらえなかったら、すなわち挫折と言えるのかもしれないけれど、先輩に「オーディションは、必要とされているタイプが違うと、どれだけいい人材でも選ばれないから、落ち込む必要はない」と言われて、乗り越えてきました。段々と人には得手不得手や向き不向きがあるこということがわかるようになってからは楽になりました。
Q7
パイロット! コックピットから宇宙外生命体を見たり(いるのだとすればですが……)、世界中飛び回りたい。ちなみに、もしパイロットが宇宙外生命体を見たとしても、口外してはいけないというルールがあるらしいです。そんなルールがあるということは……と考えてしまいますよね。
Q8
小学生の時に本を読むきっかけになったのが、アガサクリスティの『そして誰もいなくなった」。文章だけで、これだけ人をワクワク夢中にさせられることに強烈なインパクトを受けました。ラッセンの海の絵も美しくて、アートが好きになりました。
子どもの頃に受けた「表現」は人生に大きな影響を与えたと思います。さまざまなアートや表現は、人間が生み出す素晴らしいものだと思っています。
Q9
フラワーアレンジメントとお菓子作りです。
若い頃は仕事に一生懸命で、趣味に時間を使う余裕があまりありませんでした。でも今は、「感性を磨くことも仕事のひとつ」だと思って、いろいろなことにチャレンジしています。フラワーアレンジメントは、人生の勉強にもなっています。すべての花を目立たせるのではなく、あえて控えめにして、何かを引き立てる。そこにメリハリが生まれるんですよね。それって、人や人生にも通じるものがあるなと感じています。
Q10
若い頃は自分がさまざまな経験をして今世を楽しむために生まれてきたのかも、と思っていましたが(いいことも、大変なことも公表してないけど、結構経験値ある方だと思ています)、最近は、自分の経験が誰かの勇気や支えになることがわかってきました。おかげさまでメディアの仕事を通して、自分の言葉で語ることができる立場にいます。10人に刺さらなくても、その中の1人にはドストライクの言葉を届けられるかもしれない。人生で起こるいいことも悪いことも、すべて言語化して行くことが使命のよう感じています。そういう意味では文章を書くということも、今後やりたいことの一つです。
わんこのおやつ屋さんはたくさんのわんこと飼い主さんへ笑顔を届けたくて始めました。似顔絵ケーキを作ると、とても喜んでもらえるのが嬉しくて。メディアの仕事ではわかりにくいお客様の反応が見られるのが嬉しい。
自分のためと思ってやってきた経験も努力も、おこがましいですが回り回って誰かの笑顔や勇気になるなら、もっと頑張ろうと思っています。
※本記事の情報は、掲載日もしくは更新日時点のものです。(更新日: 2026年02月11日)
Profile
プロフィール
山口玲香/Reika Yamaguchi
フリーランスのアナウンサー・タレント
フリーアナウンサー、タレント。福岡を拠点にテレビリポーター、ラジオパーソナリティ、イベントMCなど幅広く活動している。愛犬家としてワンコのラジオ番組を担当したり、愛玩動物飼養管理士の資格も取得。無添加わんこのおやつ屋さん「Miley doggy food」も運営中。
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