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矢野宏和さん

pin_fill_rounded_circle [#ffffff] Created with Sketch. 糸島市

合同会社ワーイ 代表取締役

「先義後利。ECを武器に、人の幸せを本気で願う男」

「利益を得ることより、お客さんの喜ぶ顔を見るために仕事をしている」。そう語るのは、福岡県糸島市を拠点に活動する矢野宏和さん。自身が立ち上げた「ワーイ」で、EC運営のサポートやコンサルティングを手がけている。

なぜ、会社名は「ワーイ」なのか? ……気になりますよね?

そこには、仕事に対する矢野さんならではの価値観が詰まっている。今日も誰かの“ワーイ!”を生み出すために。

History

これまでの歩み

1997年 13歳

転校して、自分がどんな人間かわからなくなる

中学1年生のとき、引っ越しをきっかけに隣町の学校に転校しました。そのあたりから、「自分ってどんな人間だっけ?」と思うようになりました。
小学生の頃は、わりと活発で明るくて、前に出るのも好きなタイプ。クラスでも、そこそこうるさいほうだったと思います。でも転校初日、リーゼント頭の不良に絡まれまして。そんな経験は初めてだったので、怖すぎて普通に泣きました(笑)。
その日を境に、「目立たないほうが楽かも」と思うようになって、だんだん喋らなくなっていったんですよね。気づいたら、自分は明るい人なのか、おとなしい人なのか、よくわからなくなっていました。でもたぶん、どっちも本当の自分なんでしょうね。

2006年 22歳

就職活動で30社以上落ちて絶望したものの、楽天株式会社に入社できる

九州大学に在学中、就職活動は東京を中心に30社以上受けたのですが、見事に全滅しました。「これはもう無理だ」と思って地元企業も受け始めたものの、そちらも落ちてしまって。正直、かなり絶望していましたね。そんなとき、楽天がまだ参入したばかりの頃の話なんですが、三木谷会長が大学に来て就職説明会を開いたんです。その時の運命的な出会いにより、楽天株式会社に入社することが決定しました。

実際に入ってみると、周りは野心の塊みたいな人ばかりで、最初は「入る会社、間違えたかも」と思いましたけど(笑)。でも仕事は本当に楽しかったですね。「仕事は大変でつらいもの」「生活のために仕方なくやるもの」という、それまでのイメージが完全に覆されました。ノルマは高いし、休む暇もほとんどなかった。でも、目の前のお客様に没頭することで自分が成長していくのがわかって、新しい自分を知るのが楽しかったんです。このときはお客様とのプロジェクトを成功させるため、気づくと10日間会社に寝泊まりしていたということもありました。

しばらく勤務したのち、同期は160人いましたが自分だけ地方配属に。福岡に戻ることになりました。
それでもがむしゃらに働いた結果、社員約6,000人の中から1人だけ選ばれるMVPを、史上初めて2度受賞することができました。

2012年 30歳

ECコンサルタントとして独立

仕事自体は順調でしたが、「いつかは独立したいな」という気持ちはずっとありました。
ちょうど同じ思いを持っていたのが、楽天の福岡支店で出会った仲間たち。4人でECコンサルタントの会社「エフ」を立ち上げることにしました。

メンバーはみんな結婚して子どももいましたが、僕らは家を借りて住み込みでスタート。最初の2年くらいは大変なこともありましたが、それも含めて楽しかったですね。

少しずつ新規案件のお声がけも増えてきて、仕事はそれなりに順調でした。

2019年 37歳

合同会社「ワーイ」を創業

ECコンサルタントの会社を立ち上げてから5年ほど経った頃、代表とも相談しながら、2年ほど準備期間を経て独立することにしました。

会社名の「ワーイ」は、ふざけた名前だとよく言われますが……自分が社会人生活を通して、仕事に対する考え方が大きく変わったことが背景にあります。就活の頃は、仕事は生活のためにやるもの、どちらかというとプライベートより優先されるもの、という感覚が強かったんですよね。でも実際に働いてみて、仕事って意外と楽しいし、誰と働くかで全然変わるんだなと感じるようになりました。だったら、そういう「楽しい」をちゃんと感じられる会社にしたいな、と。

それともうひとつ、「ワーイ」には「WHY?」という意味もかかっています。
楽しいだけじゃなくて、「なぜそれをやるのか」をちゃんと考えること。目的がわかっていないと、本当に行きたいところにはたどり着けない。これは自分自身にも、仕事にも、ずっと大事にしている考え方ですね。

現在

Vision Map

矢野宏和さんの未来地図

01

現在の活動内容は?

福岡県糸島市を拠点に、ECサイト運営のサポート事業を行っています。
特にサポートしているのは、地方に拠点を置く企業さん。というのも、商圏が縮小し続けている地方こそ、ECを活用する意味が大きいと感じているからです。「土地による格差」や「地方だから仕方ない」というあきらめを、なくしていきたいと思っています。

以前は、成功するための方法を提示して、それをサポートする、というスタイルでした。でも今は、そんなに簡単に事業がうまくいく時代でもありません。だからこそ、お客さんと一緒に検証を重ねながら、二人三脚で成功を目指す形に変わってきました。業種もジャンルもさまざまなので、初めて取り組む分野のクライアントさんのときは、毎回ちょっとドキドキしますね(笑)。

ただ、こちらに任せきりでは、やっぱりうまくいかない。「言われたことを一緒にやる」「考える」「試す」。そうやって同じ方向を向いてもらえたときに、結果もついてくるんだと思っています。

02

活動の原動力は?

僕は大分県直川村という、人口2,000人ほどの村で生まれ育ちました。村では、仕事を求めて都市部に出稼ぎに行ったり、引っ越したりするのが当たり前。私の家族も、私が中学1年生のときに村を離れました。「田舎だから仕方ない」という空気が、ずっとありましたし、正直、悔しさもありました。

大学卒業後に楽天株式会社へ入社し、ECコンサルタントとして6年間働く中で、インターネットの力に強く感動しました。場所に関係なく、日本全国を商圏にできる。
「田舎だからあきらめなくていい」、むしろ「田舎だからこそ強みになる」と思えたんです。インターネットは、地方企業の不利を有利に変えてくれる、すごいツールだと感じました。

だからこそ、今は自分自身も地域に根ざし、地方で会社を立ち上げて活動しています。

今は、お客さんの成功を自分のことのように喜ぶことを信念に活動しています。
好きな言葉は「先義後利」。自分の利益を先に考えるのではなく、お客さんや業界のいい未来を思い描くこと。その先に、自然と結果や利益がついてくると信じています。

03

描いている未来は?

10〜20年後の話になるのですが、日本中のどこにいても、アジアの隅々に自分の商品を販売できる未来を創りたいです。「田舎は仕事がない」と都会に引っ越すのではなく、どこにいても世界に繋がる仕事を作っていきたいです。

Essence

矢野宏和さんに10のQuestions!

Q1

活動しているなかで、心に残っている出来事は?

目標を達成したあと、チームやお客様と一緒に飲むお酒。

Q2

今注目しているコトやモノはありますか?

インド。

なぜかインドにはご縁を感じることが多く、興味を持ち始めたら、不思議とインドにまつわるエピソードを持つ人たちが、まわりに集まってくるようになりました。まだ訪れたことはありませんが、いつか足を運んでみたい国のひとつです。

インドは仏教の国でもありますが、その教えを大切にしている人たちと、価値観を共有しながら仕事をしていけたらいいな、という想いもあり、自然と惹かれています。

Q3

ご自身はどんな人? 長所や短所を教えてください。

長所はまじめで働き者。

短所は集中するとまわりが見えなくなるところ。

Q4

最近、感動したことはなんですか?

一度退職した社員さんがまた戻ってきてくれたこと。

Q5

「これだけは許せない!」というこだわりや想いはありますか?

「働くことは、辛抱するものだ」というあきらめ。

「田舎だからしょうがない」というあきらめ。

Q6

今の自分に点数をつけるとしたら?

1点。

ようやく始まったところ、という感じです。

Q7

あなたにとって「挑戦」とは?

やりたいことをやっている状態。

Q8

死ぬまでに一度はやっておきたいことは?

ダービー馬主になること。

競馬を見たり、競走馬のエピソードを読むのが大好きです! 「私にとって最高の栄誉は?」と聞かれましたら「ダービー馬主になること」だと思っています!

Q9

矢野さんの人生にキャッチコピーをつけるとしたら?

「波乱万丈」。
振り幅の大きい人生だなと思います。仕事がうまくいっていると感じたかと思えば、一気に落ち込むこともあって、なかなかダイナミックです。

過去には広告営業をしていた時期もあり、その頃はかなりしんどくて、精神的に参ってしまったこともありました。
本当は、もう少し安定を目指す人生のほうがいいのかもしれません。でも、たぶん自分はそういう生き方ができない性分なんでしょうね。

Q10

福岡でお気に入りの場所は?

糸島市にある複合施設「いとLab+」。

https://itolabplus.com

窓が大きく開放的で、スタバなどのカフェもあり、働く場所としておすすめです。

※本記事の情報は、掲載日もしくは更新日時点のものです。(更新日: 2026年02月27日)

Profile

プロフィール

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矢野宏和/Hirokazu Yano

合同会社ワーイ 代表取締役

1983年生まれ。大分県直川村(現・佐伯市)出身。人口約2,000人の村で育つ。九州大学卒業後、楽天株式会社に入社。ECコンサルタントとして約6年間在籍し、延べ2,000社以上のネットショップ業務改善を担当。6,000人の社員の中から1人だけが選ばれるMVPを、史上初めて2度受賞する。同じ志を持つ仲間と出会ったことをきっかけに、2012年にECコンサルタントとして独立。その後、福岡県糸島市を拠点に、地方企業を中心としたECサイト運営・業務改善を支援する会社「ワーイ!!!」を創業。ネットショップ運営代行では、クライアントが日商1億円を達成するなど、持続的な成長を共に実現してきた。「田舎だから不利」ではなく、「田舎だからこそ強みになる」。インターネットは、地方企業の不利を有利に変えられるツールだと確信し、地域に根ざした形で活動を続けている。信念は、「お客様の成功を自分ごとのように喜ぶこと」。EC業界歴20年となった今も、現場の最前線で活動中。