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眞子健太さん

pin_fill_rounded_circle [#ffffff] Created with Sketch. 福岡市

アイリンクス株式会社 常務取締役

「健康も子育ても、“楽しく続ける”ことがいちばん」

健康食品の通販や保育園を運営しているアイリンクス株式会社で、常務取締役を務める眞子健太さん。
彼のキャリアは、思いがけない出来事から始まった波乱の社会人1年目に端を発する。
そこから健康、そして教育へと広がっていった歩みは、いまこの会社で結実するための“必然”だったのかもしれない。

History

これまでの歩み

2007年 23歳

新卒で勤めていた会社が民事再生に

新卒で入社した会社では、最初の研修地が千葉のコールセンターでした。大好きな地元・福岡を離れることになり、「(福岡に)早く帰りたいなぁ」と思っていた矢先、入社からわずか3カ月で会社が民事再生に。幸い、コールセンター事業だけ業績がよかったため、現在所属している三和グループが事業を引き取ってくれ、職を失わずにすみました。

ただ、福岡に戻ることは叶わず、そのまま千葉で働き続けることに。拾ってもらえたことへの感謝はありながらも、社会人1年目で想定外の出来事が重なり、「人生、終わった」とさえ感じていました。同世代が一斉に社会人として歩み始めた中で、自分は最下位にいるような気がしてならなかったんです。

一年後にはその事業も終了。しかし、私の働きぶりを評価してくださった方がいて、三和グループのアイリンクス株式会社に引き取ってもらいました。スタートは波乱でしたが、それがかえって「ここから必ず上がってやろう」という原動力に。努力の末に成果を出せるようになり、この会社に心から感謝しています。

もし最初の会社が民事再生になっていなければ、きっとなんとなく社会人を続けていたと思います。あの出来事があったからこそ、仕事に対して貪欲になれました。振り返れば、人生を大きく変えるターニングポイントでした。

2011年 27歳

通販事業ラジオショッピング開始

当時は電話営業に慣れていたものの、飛び込み営業の規制が厳しくなり、別のマーケティング手法を模索していました。広告代理店に依頼してコンテンツを制作するのが一般的でしたが、私たちのチームは規模が大きくなかったため、「すべて自分たちでやってみよう」と決意。自らラジオ原稿を書き、出演まで行うことにしたんです。幸運にもラジオ局出身の社員が入社してくれたこともあり、代理店を介さず、完全自社制作によるラジオショッピングをスタートさせました。

全国各地のラジオ局で放送を重ねていくうちに、手応えがどんどん広がっていきました。

「自分の声で、自分の想いで商品を伝えられる」ことは大きいですね。ラジオという媒体の力を実感した瞬間です。これは私にとって、ダイレクトマーケティングの醍醐味を知る大きな経験になりました。

その後は、テレビCMや映像制作、WEB広告まで自社で手がけるようになり、ラジオで培ったノウハウがすべてに活きています。ジャパネットたかたの前社長がラジオ販売をしていたことも刺激になり、講演を拝聴しては学びを得ていました。たとえば、声が裏返ったほうが商品が売れるんです。必死さや真摯さが伝わるんでしょうね。それも、髙田社長の受け売りです。

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仕事も家族も、充実した時間に

2019年 35歳

ハピネス保育園開園

保育園開園のきっかけは、僕を拾ってくれた三和グループの会長(創業者)である石井和俊氏でした。2020年に亡くなられますが、後から聞いた話ですが、石井会長は難しい病気が見つかり、「あと5年くらいの命」と宣告されていたそうです。そんな状況のなかで、「未来の子どもたちに何かを残したい」という思いから、返済不要の奨学金〈石井育英会〉を自分の資金で立ち上げたんです。「何かを成し遂げるだけでは二流。何かを残すことが一流だ」とよく口にされていました。

当時、待機児童問題が深刻化していたのもあり企業主導型の保育園をつくることを推進されていたこともあり、当社でも保育園をつくろうということになりました。グループには住宅デザインの会社と不動産管理会社、そして私が所属するアイリンクスがあって、「会長が持つ不動産を管理会社が管理し、住宅デザイン会社がデザインし、アイリンクスが運営する」という仕組みでスタートしました。

ハード面ではデザインの力を活かし、ソフト面では教育理念をしっかりと持とうと考え、モンテッソーリ教育を取り入れることにしました。モンテッソーリ教育は、GAFAMの創業者全員が幼少期に受けていた教育で、「子どもは自ら育つ『自己教育力』があると考え、自分で学び取る力を育てる」ことが特徴です。

「いい先生がいないかな」と探していたところ、りっちゃん先生という、『自宅でモンテッソーリ』を個人で実践している先生に出会って、弊社の保育園の園長になっていただくことに。

ちょうどその頃、私は3人目の子どもが生まれて、ハピネス保育園の一期生として通うことに。私も資格を取って勉強するうちに、子育てに対する考え方ががらりと変わりました。「子どもを信じて任せることが大事なんだ」と気づいたんです。りっちゃん先生の『おうちでモンテッソーリ』の勉強会で、妻も感動していました。実際、「子どもを育てるのは大変」という概念を手放すことができて、私たち夫婦はその後4人目、5人目と子どもを授かりました。それもこの保育園がきっかけだったと思っています。

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ハピネス保育園にて

現在

Vision Map

眞子健太さんの未来地図

01

現在の活動内容は?

福岡・博多に本社を構えるアイリンクス株式会社では、健康食品通販事業「ふくふく本舗」と、保育園事業「ハピネス保育園 Montessori Nursery」を運営しています。

また、グループ全体としては、公益財団法人「石井育英会」を設立し、返済不要の奨学金制度を通じて、福岡の優秀な学生たちを支援しています。

02

活動の原動力は?

大学2年生の時に母が脳梗塞で倒れ、命は助かったものの左半身が動かず、言葉も思うように出なくなりました。母はずっと家族のために無理を重ね、健康管理を後回しにしてきたのです。入院中、押入れから大量の飲んでいない健康食品が出てきたとき、『なぜ飲まなかったのか…』と、もどかしさと失望を感じました。この体験を通して、健康習慣の大切さを改めて実感しました。健康食品を扱うアイリンクス株式会社に入社したことはなりゆきではありましたが、母のこともあり今は、日本の健康寿命の最大化の為に、健康習慣化のお手伝いをしたいと思っています。

教育事業も、石井会長から託された思いと私自身5人のこどもがいることもあり、幼少期の教育投資こそが、親も子も日本も幸せになっていくと思っています。

『三つ子の魂100まで』という言葉がありますが、医学的にも「人間の脳は3歳までに80%できあがる」と言われています。だからこそ、0〜3歳の時期にどれだけ良い環境を整えられるかが大切です。多くの人は、子どもが大きくなるにつれて教育費がどんどんかかるイメージを持っていますよね。でも実際は逆で、幼少期の吸収力が最も高い時期に良い環境を与えれば、その後、成長して選択できる力がついたら、特別に高額な教育の場を与える必要はなくなるんです。これは、イタリアの女性医師マリア・モンテッソーリが百年以上前に提唱した『球根』という理論です。「セルフケア」とよく言いますが、健康面でだけでなく、教育にも言えるんです。親の考え方が変わるだけで子どもの環境は変わります。そして、子どもが自分を信じてできる自己肯定感が幼少期からあれば、どんな困難も乗り越えられる子に育つわけですから。親が肩の力を抜いて幸せに子育てができて、小さい頃から自分で選択できる子どもが育っていくような世界にしていきたいです。

03

描いている未来は?

健康事業では、セルフケア事業として健康食品から健康習慣を応援する事業へ、教育事業では、おやこみらい(親子未来)事業として保育園から家庭の子育を応援する事業へスケールしていこうと思います。

今の世の中、70〜80歳まで働かないと大変な時代になってきています。だからこそ、健康でいることが一番の資産であり、長く稼ぐ力につながる最大の投資だと思っています。健康寿命の最大化に貢献するために、単に健康食品を提供するだけでなく、健康習慣を身につけるサポートもしたいと考えています。そこで事業名も『セルフケア事業』に変え、サプリメントだけでなく、どうすれば楽しく健康習慣を身につけられるかを追求しています。
例えば、「目が良くなるゲームアプリ」の開発も行いました。ゲームやコミュニティを通じて楽しみながら習慣化できる仕組みを作ることで、サプリメントだけでは得られない健康習慣の定着をサポートしています。こうした取り組みを通して、健康習慣が自然と幸せにつながる社会をつくりたいと思っています

また、教育事業では全国のママたちの悩みを解決するために、『おうちでモンテッソーリ』というオンライン講座を作り、リリースしています。ママたちの抱える罪悪感を喜びに変えるには、大人のマインドのチェンジが必要です。健康習慣と同じように、考え方を変えるには短期間の集中した訓練が効果的です。そこで、モンテッソーリ教育とお片付けを組み合わせた2か月プログラム『ハピネスママプログラム』通称ハピプロというオンラインサービスを提供し、ママの価値観が生まれ変わる体験を提供しています。私も妻もそうであったように、子育てが大変という概念を手放し、自分らしさを開放した大人であふれた社会をつくりたいと思っています。

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教育の価値観が変わってから、家族との時間もより充実するように

Essence

眞子健太さんに8のQuestions!

Q1

心に残っている言葉や出来事はありますか?

故・石井会長からの言葉で、「人生の大半は仕事をしているので、仕事が楽しくないと人生楽しくないよね」という言葉です。仕事は遊びの2倍楽しいがモットーです!

Q2

今注目しているコトやモノはありますか?

先日、子どもと一緒に鹿児島の知覧に行きました。平和や戦争に対しての子どもたちへの教育って難しいなと思います。でも、大人がやらなくてはならない事だと思います。注目しているというより、最近、考えさせられたことです。

Q3

ご自身はどんな人?

話が長い人だと思います。あと、寂しがりやです。一人で旅行とか行けません。

Q4

今の自分に点数をつけるとしたら?

100点満点中、10点。

のびしろがある方がいいからです。

Q5

座右の銘を教えてください。

『高ければ高い山の方が登ったとき気持ちいいもんだ』

(Mr.childrenの『終わりなき旅』の歌詞)

Q6

あなたにとって「挑戦」とは?

挑戦には成功と失敗があり、失敗しても成長できるので、成功か成長しかないです、という言葉が好きです。つまり、挑戦はとてもお得なものです。

Q7

ご自身の人生に映画のタイトルをつけるとしたら?

『少子化に歯止めを!』

Q8

自分の使命はなんだと思いますか?

まわりの方々を幸せにすることだと思います。一番身近なまわりというと妻なので、妻を幸せにするために生まれてきたのだと感じています。5人の子どもを産んでくれて、感謝しています。一生かけて幸せにしていきます。 

Profile

プロフィール

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眞子健太/Kenta Mako

アイリンクス株式会社 常務取締役

1984年生まれ。福岡県出身。アイリンクス株式会社常務取締役。健康管理士、西研MGインストラクター、子育支援員、AMI(国際モンテッソーリ協会)0-3アシスタントと多くの資格を持つ。5児の父でもある。