地域のミューズを発掘するメディア
これまでの歩み
修士2年の夏、まだどこからの内定ももらってない中で、大学の先生の紹介で株式会社キャナルエンターテイメントワークスにて3カ月間修行しました。「うちでは採用できないけど、それでもいいなら」とのことで、せっかくの機会だしと思ってがむしゃらに働いてたら、たまたま複数ヵ年の新規プロジェクトを受託できたとのことで、春から正社員に(新卒第一号だったみたい)。教わったことは企画書の書き方、クライアントさんもパートナーさん(絶対業者とは呼ばない)もみんなフラットで一体感のあるチームづくり、意義あるプロジェクト創出へのこだわり、などなど。修行期間からずっと師匠の隣で仕事できたことが大きかったです。
スタートアップの熱量に感化されたこともあり、目的意識を持って働くこと、仕事を通じて社会的価値を創出すること、所属の垣根を超えて仲間と仕事することの面白さを改めて痛感。ポジティブに働ける組織づくりに関心を持ったのもこの頃からです。
以前から仲の良い大学の先輩から、飲み会終わりに「うちにこいよ」とお誘いいただいた。「先輩の会社のことはよく知らないので、本気なら明日教えて欲しい」と言うと、翌朝、会社のことはさておき、まずは自分の大切にしている働き方を熱く語る先輩。その働き様生き様にめちゃくちゃ共感し、会社でやってることは聞かずについていくことを心に決め、翌年からジョインしました。
仕事人生で初めて新規事業開発を担当することになりました。翌年からは組織運営にも関わることに。今まではとってきた仕事を納めるだけの役割だったので、すべてが新しいことでいつも脳みそ溶けまくっています。ただ、40歳を迎えるタイミングでも、まだまだ成長痛を感じながら働けることになったのは、本当にきつい日々ではありますが、めちゃくちゃありがたいし、面白いです。
山本和明さんの未来地図
01
株式会社andONE所属。福岡市を活動拠点としながら、全国各地の地方自治体や地域企業と連携し、地域の交流の場の創出を支援する人材事業を展開しています。コミュニティマネジャーの採用支援と伴走支援を通じて、地域内外の人や企業をつなぎ、地域がより豊かになる新しいプロジェクトの創出や、地域課題解決のきっかけをつくることを目指しています。
活動の軸は大きく3つ:
・地域のHUBとなる場と人をつくる
・HUBになる場と人を通じて、地域内外の方々が集い、語らい、つながる
・つながった方々が新たなチームとなりプロジェクトが生まれるようアシストする
地域外の方々が継続して地域に訪れるように、ビジネスを生み出すことにこだわり活動しています。
また、2025年からは「オフィスキュレーターアカデミー」を開講しました。オフィスキュレーターとは、経営戦略に目線を合わせながら、自社組織におけるコミュニティマネジメントとファシリティマネジメントを行う人材のことです。ワークプレイスを使いこなして組織の活性化につなげていく新しいポジションを、世の中に広げていきたいと考えています。
環境が変われば行動が変わり、行動が変われば意識が変わる。僕らの事業の根底にある考え方です。一方で、ワークプレイスを整備したけど狙い通りに機能していない。社員間のコミュニケーションや連携が不十分。そんな課題を抱えている企業は少なくないと感じます。本アカデミーでは、ワークプレイスをどう活用すれば組織が活性化するのかを、座学と実践の両方で学んでもらいます。現在は東京だけで開講していますが、将来的にはより広く展開できればと考えています。
02
僕は東京の企業に勤めながらも東京に住んだことは一度もなく、生まれ育った福岡市を40年間離れずに暮らしています。福岡でのまちづくりに資する自治体主導の施設運営やイベント企画制作に携わってきましたが、その過程で、福岡の外から来てくれた方々と活動を共にすることで、地元の仲間たちだけでは達成できないこともクリアできましたし、何より、地元を離れずとも豊かに働くこと暮らすことができると肌身で感じてきました。また、他のまちに関わりを持ちながら地元で暮らすことで、さまざまなヒト・モノ・コトと出会う機会が得られて生活が豊かだとも感じています。
技術革新で暮らしがどんどん便利になっている今だからこそ、人と人、部署と部署、企業と地域といった“間”の関係性を、ただ繋ぐのではなく「紡いでいく」役割がますます重要になると感じています。そうした関係性を紡ぐにあたり、合理的でも効率的でもないことに向き合い取り組むことが少なくなく、それは人にしかできないこと。だからこそ、組織でも地域でもHUBとなれる人材が必要だと思っています。そういった人間しかできない縁の結び方は、地域の事業そしてオフィスキュレーターアカデミー、ともに共通していることです。
03
時間や場所に縛られない働き方・暮らし方が一般化しつつあります。そんな時代だからこそ、都市部からの移住定住を推し進めるだけではなく、地域の垣根を超えた人や企業の「行き来の総量」を増やすことが、地域の未来をつくることにつながると考えています。共感し合える地域の方々と一緒に、これからもその取り組みを広げていきたいです。
僕が描きたいのは、地元の大人たちが外から面白い大人を呼び込み、一緒に楽しそうに地元のためになることに取り組んでいる風景です。そんな姿を子どもたちに見せることができれば、「地元でもこんなに面白く働けるんだ」と、生まれ育った地域に対しても、働くことに対しても、夢や期待感を持って育っていくはずです。そして、全国各地でポジティブに働く大人たちが増えれば、日本全体がもっと面白くなると信じています。自身が身を置く地域や組織にとらわれ過ぎず、人と企業の行き来を増やし、地域の未来につながるきっかけをつくり続けたいと思っています。リモートワークが増え、拠点を選ばず働きやすくはなりましたが、観光や休暇感覚で地域を行き来するだけでは、なかなか限界がありますよね。大事なのは、その地域で「仕事を通して貢献できること」。報酬も得られれば、ちゃんと通えるし、地域にしっかり関わることができる。そういったことが生み出せる地域のHUBをつくっていけたらと思います。
山本和明さんに10のQuestions!
Q1
「一人でなんでもできる」と思って調子に乗っていた時、懇意にしていたクライアントから「一人で打ち合わせに来るなら、持ち帰らずにその場でお前が決めろ。できないなら予め社長や上司と調整して来い」と怒られたこと。
Q2
無趣味なんです。仕事か家族の時間がすべて。自分のために仕事にしているというより、誰かのためになることを仕事にしているという感じ。
Q3
人を嫌いになることがない。そして、自分が嫌われるのはすごくいやです。
逆にすごく好きになることもないですね。その人そのものではなく、その人がやってることや考え方に興味があるのかも。
あと、あまり言われることはないけどかなり短気です。
Q4
息子がサッカーと野球のどちらをやりたいと心に決めるか。
Q5
100点。
今、十分幸せなので。面白がって生きたいって思えている時は100点です。
Q6
恩返し。育ててくれた前職の師匠と、迎え入れてくれたうちの会社に。あと両親にも。
Q7
あれば応援するし、なくても別にいいもの。いつか言語化できるもの。
Q8
ありません。なんとかなると思うようにしてます。
Q9
縁と恩と運。
Q10
そんなにないですが……。強いて言うなら、海外にはたくさん行きたいですね。行けるなら、嫁さんと世界一周旅行も行ってみたい。
Profile
プロフィール
山本和明/Kazuaki Yamamoto
株式会社andONE
1985年福岡市生まれ。九州芸術工科大学芸術工学部環境設計学科、九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻を修了。2009年より福岡のイベント制作会社に所属し、自治体が主催するイベント・プロモーションの企画制作や、スタートアップ創業支援施設およびオープンイノベーション創出拠点の立ち上げと運営に従事。2020年に株式会社ディー・サインに入社し、2023年より株式会社andONEに参画。地域の交流拠点運営を支援する人材事業を展開するとともに、ワークプレイスを使いこなして組織を活性化させる人材を育成する「オフィスキュレーターアカデミー」を2025年より開講。
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