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川面創さん

pin_fill_rounded_circle [#ffffff] Created with Sketch. 大野城市

プロ卓球Tリーグ所属女子チーム「九州カリーナ」運営

「卓球界に変革を起こすために生まれてきた男の挑戦とは?」

誰よりも卓球愛あふれる川面創さんは、プレーヤーとして活躍後、九州発のTリーグチームを発足。現在は代表取締役として、卓球界において未だかつてない試みに挑み続けています。まさに新しい世界を“創る”開拓者。今後の未来はどんなビジョンを描いているのでしょうか。

History

これまでの歩み

1988年 12歳

野球から卓球へ転向

今でこそ卓球は国民的なスポーツですが、当時、男子に人気のある競技といえば「野球かサッカーか」という時代。卓球はどちらかといえば地味で、目立たない存在でした。私自身も地元の強豪野球チームに所属していて、まわりは当然のように「中学に進んでも野球を続ける」ムード。しかし、幸運なことに地元には全国的に名の知れた卓球チームがあり、「強くなりたい」という気持ちから、思い切ってその練習に参加してみたのです。

そこには鬼のように厳しいコーチがいました。そのコーチから「君はしっかり練習すれば全国に行けるし、チャンピオンになれる可能性もある」と言葉をかけてもらい、また、別の先生からも「創くんは努力できるタイプだから、やった分だけ成果につながりやすい個人競技の方が向いているかもしれない」と背中を押され、最終的に「卓球の道に進もう」と決意しました。中学〜高校生のときは、部活の練習後、帰宅して食事をしたらコーチのところで練習して……という日々を続けて、自分でもどんどん強くなっていっていくことを感じていました。

1996年 18歳

卓球のプロチームとの練習で刺激をもらう

高校時代、全国大会で出場し、いくつかの大学から「ぜひうちに」と声をかけていただいたのですが、ご縁があり関西の大学に進学し、卓球を続けることになります。その際、日本代表女子チームの練習相手として招かれ、全国各地や海外遠征にも帯同。プロの高い技術に触れ、大きな刺激を受けました。大学卒業後は実業団・百五銀行で5年間プレーし、選手引退後は18年間にわたり指導者として活動しました。

2021年 45歳

Tリーグに新規参入した九州アスティーダの代表取締役に就任

2018年に卓球のプロリーグであるTリーグが発足。同年8月には監督も兼任していました。九州は縁もゆかりもない場所なんです。でも、九州は強い卓球選手がたくさんいるのに、Tリーグにチームがなかったので「作りましょう!」と言っていろんな方に協力してもらい、実現しました。実業団の監督時代にさまざまな企業人や実業家に出会い、経営やビジネスも学ばせてもらいました。シリコンバレーにも行き、何よりマインドの大切さを学んだのも、今の活動に活きていると思います。「卓球界の発展に貢献したい」という想いがあったので、監督でありながら社長も務めるという、“二足のわらじ”になりました。

2025年 49歳

「九州カリーナ」へ改名

5月に、「九州アスティーダ」から「九州カリーナ」へチーム名を改名。より地域色を強めるためのリブランディングでした。現在は社長業のみに専念しています。

現在

Vision Map

川面創さんの未来地図

01

現在の活動内容は?

卓球界の発展、そして卓球を通じて九州を盛り上げることを目的に、さまざまな事業を展開しています。特に「九州カリーナ」では、地元・九州出身の選手を大切にし、地域への愛着をベースにしたチームづくりを進めています。

また、スポンサーシップについても地域ごとに特色を持たせる仕組みを導入し、地域密着型の戦略を展開中です。さらに、インターン制度にも力を入れており、多くの学生を受け入れることで現場の活性化と次世代の育成にも取り組んでいます。

「九州カリーナ」選手のみんなと

「九州カリーナ」選手のみんなと

02

活動の原動力は?

一番の原動力は、「卓球界に恩返しをしたい」という想いです。選手として、監督として、そして経営者として、これまでの人生を形づくってきたのは、間違いなく卓球でした。その卓球に対して自分ができることがあるなら、全力で取り組みたいと思っています。

加えて、縁もゆかりもなかった私を温かく受け入れてくださった九州の皆さんと一緒にチームを盛り上げたいという想いも強くあります。九州はまさに“一枚岩”のような土地柄で、福岡に拠点を置きながらも、熊本・佐賀・長崎・宮崎・大分・鹿児島といった九州全体が一つの「島国」のように、互いに応援し合う空気があるんです。これは他の地域にはあまり見られない独特の魅力だと感じています。

九州のさまざまな県と力を合わせて卓球界を盛り上げている

九州のさまざまな県と力を合わせて卓球界を盛り上げている

03

描いている未来は?

選手強化やスポンサーとの共創は引き続き進めていきますが、卓球の魅力をより多くの方に届けるためには、イベントとしての「おもしろさ」をさらに強化していく必要があると考えています。

以前、長崎で卓球大会が開催された際に、福岡でパブリックビューイングを実施したところ、とても好評でした。その経験を踏まえ、もっと盛り上がれる仕掛けを考えていきたいと思っています。

2026年1月11日・12日には、福岡市民ホールで「劇場型の卓球イベント」を開催予定です。野球やサッカーは声を出して応援することで会場が一体となりやすい一方、卓球は試合中に静かにしなければならないというルールがあるため、盛り上がりを作りにくいスポーツです。だからこそ、解説をしっかり入れ、観客みんなが一緒に楽しみながら応援できる、独自の卓球イベントを今後も企画していきたいと考えています。

また、5年以内に自分たちのホーム試合ができるアリーナを作ることを目標としています。共創するパートナーも見つかり、福岡に複合スポーツアリーナを建設します。

アリーナ画像

複合スポーツアリーナ建設を目指して、スポンサーも募集中!

Essence

川面創さんに10のQuestions!

Q1

長所と短所は?

長所…チャレンジする行動力、アクティブさ。

短所…組織より個人プレイなところがある。

卓球は個人競技なので、つい自分だけで動いてしまい、チームワークを活かすのが苦手なところがあります。

Q2

「これだけは許せない!」という人の行動は?

裏切る人。

自分は幸いそういった経験はありませんが、経営者の話を聞いていると時折耳にします。人を裏切る行為は絶対に許せないですね。

Q3

今の自分に点数をつけるとしたら?

50点.

Tリーグのチームが発足してまだ5年。まだ道半ばという段階です。これからの発展に期待を込めて、この点数です。

Q4

挫折したことはありますか?

挫折ばかりですね。やりたいことはたくさんありますが、実現するにはお金もかかります。「もっと頑張らないと」と常に思っています。

Q5

リフレッシュ方法は?

趣味は特にありませんが、遠征や出張でさまざまな地域へ行くことがリフレッシュになっています。現地の人と交流したり、美味しいものをいただいたりする時間が楽しみです。

Q6

死ぬまでに一度はやっておきたいことは?

豪華客船で世界一周。

新しいものや場所に触れるのが好きなので、訪れたことのない国々を旅してみたいです。

Q7

座右の銘を教えてください。

「有志竟成(ゆうしきょうせい)」。

志をしっかり持ち続ければ、いつか必ず実現できるという意味の四字熟語です。

Q8

自分の人生に映画タイトルをつけることしたら?

「Tリーグ九州をゼロから立ち上げた男の物語」。

Q9

川面さんの使命はなんだと思いますか?

卓球界に恩返しをすること。

Q10

もし生まれ変わるとしたら、何をしたいですか?

生まれ変わっても卓球を選びます。

卓球こそが、僕の生き様なので。

Profile

プロフィール

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川面創/Hajime Kawatsura

プロ卓球Tリーグ所属女子チーム「九州カリーナ」運営

川面 創(かわつら・はじめ)。三重県出身。三重高、立命館大を経て実業団(百五銀行)でプレー。2003年から立命館大女子卓球部の監督を務め、2021年に九州アスティーダの監督兼代表に就任。2023年より代表に専念。2025年5月にチーム名を「九州カリーナ」に改名。