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Wellness

日本発吸水性ショーツPeriod.代表寺尾彩加さんインタビュー

近年世界的に盛り上がりを見せるフェムテック(Female-Technology)業界で、今後、日本国内における市場拡大の可能性を感じる吸水ショーツ。近年では「吸水ショーツ習慣」「脱ナプキン」が浸透し、従来のサニタリーライフが一転するような新時代の到来を感じます。
今回は、吸水型ショーツ専用ブランド「Period.」代表の寺尾彩加さんをゲストにお迎えして、起業するまでの経緯や、セルフラブで大切にしていることなどを伺います。

2021.12.25公開

吸水型ショーツ専用ブランド「Period.」代表の寺尾彩加さんってどんな人?

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吸水ショーツ、最近よく見かけるようになりましたよね!私も去年初めて使って以来、その便利さゆえやめられなくなっています。

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アジアでこれほど吸水ショーツブームが来ているのは日本くらいで、去年から一気に広まった感触があります。ものすごいスピード感ですよね。 有名なアパレルブランドや商社が参入し、商材を扱う企業数も急増したんですよ。海外商品の輸入というよりは国内のプレイヤーが増えている印象があります。おうち時間が増えて、消費者が試しやすい心理になったというのはあるのかもしれないですね。

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なるほど!元々はどのようなお仕事をされていたのですか?キャリアについてお聞かせください。

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新卒で入社したのが動画コンサルティング会社で、私は主に女性商材のプランニングを担当していました。広告代理店と制作会社を一緒にしたようなビジネスモデルで、プランニングから制作まで一貫して行なっていました。 大学時代にさまざまなインターンに参加させていただき、今となればそこで出会った方たちは起業している人が多いので、自分で事業を始めることにそこまで多くの抵抗はありませんでした。 仲良くしてくださった先輩も社会人1年目で新規事業の提案をして2年目から開発をしていたので、その下で私自身もインターンとして参画しました。 ないものを自ら生み出して世に出すことって、意外とできるチャンスがあるんだと実感しましたね。起業に対してハードル高いと感じなかったのも、そのインターン時代の経験があったからだと思います。

吸水型ショーツ専用ブランド「Period.」ができるまで

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ホームページにも少し記載がありましたが、創業に至ったきっかけはニューヨーク?

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はい、ネットでNY発の某サニタリーショーツブランドの創業者の記事を見つけて、アメリカにはこんなおもしろい商材があるんだと思って、すぐに取り寄せてみました。 こんなにインターネットが普及して身の回りのものが進化しているのに、日本のサニタリーライフがずっと変わらないのはなんかヘンだなと思っていたのです。 アメリカの国際郵便っていい加減で、注文してから1ヶ月くらい届かなかったんですが(笑)、ようやく届いた時の喜びと、早く試してみたいから次の生理のタイミングが待ち遠しくなりましたね。生理って今までネガティブな習慣だったはずなのに、初めてワクワクしたんですよ。その経験はなんか新鮮でした。

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それは貴重な感覚ですね。実際にその商材を使ってみていかがでしたか?

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普通のショーツと同じような形状で、こんなに薄くて本当に大丈夫なのか?って疑ってかかっていたので、まずは外出の予定がない日に試してみました。 そうしたら、自分が思っていた以上に量が多くないのかもしれないんだって、そこで初めて感じました。というのも、私自身はそれほど悩みがない方だと思っていたのですが、毎月生理が始まりそうなタイミングになると、ショーツをどうするか出かける前に悩んで、失敗することも少なくありませんでした。 だけど、このショーツを履いたら小さい悩みがなくなり、生活の中でネガティブな要素が一つ解消されたような気がしたのです。たった一枚のショーツなのに、こんなにたくさんの発見があって凄い!とポテンシャルのようなものを感じました。 日本にも同じような商材があるか調べてみたら、その当時はまだなかったので、私がやらなくては日本人のみなさんにこの快適を共有できないと思う勝手な使命感を感じました。 最初は私がNYからサニタリーショーツを日本に持って来る総代理店のような役割になれたらと思って交渉してみたのですが、いろいろと条件が厳しくて一度は断念しました。 ひょっとしたら日本でも作れるかも?と思い直し、手当たり次第製造できる工場に当たってオーダーして。輸入できないなら自分で作っちゃおう!というところからPeriod.はスタートしました。

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実際に商品開発やアパレルに携わった経験はあったのですか?

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ないです!全部Googleで調べました(笑)

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素晴らしい行動力!その過程でうまくいかなかったり、苦労はありましたか?

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意外と作れるところが限られていました。その当時はサニタリーショーツの存在を知っている人も少ないし、こちらが説明しても「それはちょっと経験がないので…」と難色を示す下着メーカーさんもあったりして、選択肢が少なかったのは事実ですね。その中でも、商材自体を知っていて興味があると言ってくださった会社と組んで製品を開発していきました。

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それは大変!実際何社くらいに当たったんですか?

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10社くらいに当たってお返事が来ないところもあったんですが、半分くらいはお話を進めさせていただきました。「ミニマムで何枚から作れますか?」と聞いたら「何千枚単位なら」と回答が来たり、最初はワンサイズのみ発注可能など、厳しい制限がある中で始めました。 当時はまだ会社として登記していなかったので、さすがにそれを個人で請け負うのは大変ですよね。

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何か意識していることはありますか?

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「ジェンダーレス”」性別にとらわれず、femaleの身体を持つ全ての人に使ってもらいたい、という思いがあります。たとえば、ホームページでも「私たち」という表現を使わないようにしています。あえて性別についての記載をしないように心がけていますね。フェムテック先進国の米国では、もっと生々しくてきわどい表現が多かったり、交通広告の倫理に引っ掛かったりして物議を醸したりすることでフェムテックという市場に注目が集まっているのです。 それも戦略としては斬新でおもしろいですが、さすがに日本では過激すぎるというか、ちょっと難しいですよね(笑)

今後のPeriod.としての展望

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今後のPeriod.としての展望はありますか?

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ユーザーが増えていくことで気づいたのが、もっとユニバーサルに、いろいろな立場の人に使ってもらえる工夫が必要なんじゃないかなと思い始めました。 なので、お客様からのフィードバックを大切に、多くの方の悩みに寄り添ったものづくりを目指しています。昨年の11月にリリースしたPeriod.を代表する4種類のタイプは全て初期モデルをご使用いただいたお客様からの声を反映しています。こんなタイプが欲しい、こんな仕様が良い、というご意見を採用してPeriod.らしいデザインを加えた商品です。 吸水量に関してももっと安心してご使用いただけるように2つの展開を設けました。みなさんの生活により推せるようなものづくりを今後もしていきたいと思っています。

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医療従事者に吸水ショーツを寄付するという試みも素晴らしいですよね。

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防護服を着てお手洗いに行くのって想像以上に大変なんですよね。少しでも役立てたらいいなと思って寄付しました。 CAや看護師、銀行の窓口で働いている友人も、自分がお手洗いに行きたいタイミングで行けなかったり、行動の制限があったりして、生理の時は1番それが辛いみたいです。自分以上に悩んでいる人がたくさんいるんだなということに気づかされました。今後もリアルな声を大切にしたいですね。 吸水ショーツを通じて、今まで話せなかったことも意見交換できるようになり、ギフトで渡してもらったらそこから輪が広がっていくのが嬉しくて、ありがたく思っています 。

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黒だけでなく、ビビッドなカラーショーツもリリースしましたよね!

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はい、カラー商品についても、お客様からのリクエストをもとに、リミテッドでWomen’s Healthさんと一緒に作りました。4色4案からインスタライブで読者の方に投票してもらって商品化されました。 これ、いいんだけどもっとこうだったらいいのに、っていう商品がいっぱいありますよね。ちょっとしたところに手が届くというか、足りないところを埋めてくれるような商品を世に出していけたらいいなと思っていてるのです。 お客様からのご意見というのは、次の商品でアンサーとしてきちんと形にしてお返しできるようにしています。昨年11月に追加したラインナップも、お尻がすっぽり隠れるデザインが欲しいという声をもとに展開しています。

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私はボクサータイプ、愛用しています!厚みがあって安心しますよね。自宅ではホットパンツ感覚で使っています。

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ありがとうございます。まさにあのボクサーはお客様の声を反映して誕生したものなんです。吸水量が30mlで1番多いんですが、他の商品はもう少し薄くて、より普通のショーツに近い感覚で履けると思います。 購入していただいてから1ヶ月後にメールが届くのですが、みなさん丁寧にレビューを書いてくれて、それが励みになっています。本当に優しくて親切で、お客様に恵まれています!

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セルフラブで心がけている習慣などはありますか?

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「好きなこと」を常に持ち続けることが大切だと私は考えています。 そんなに大きなことを好きでいる必要はなくて、小さなことでも短期間でスイッチしてもなんでも良いので、心がときめくようなモノコトを持ち続けることが自分を輝かせるエッセンスになるような気がしています。 好きなことがあるから他のことへのエネルギーが湧いたり、毎日が楽しくなったりポジティブな連鎖が繋がるきっかけになったりする気がしているのです。毎日を楽しんでいる自分自身は自然と愛せる姿になっていくと思うので、常に好きなことを見つけていくことがセルフラブにもつながると思っています。 なので、日常で迷うことがあったら直感で好きな方、心が踊る方を選択してもらいたいです。 生理の時の習慣に、今ネガティブな気持ちになるならもっとポジティブな気持ちになれるような過ごし方を自分で選択する。こうやって些細なところから日常を彩ってもらえたら自然とセルフラブできるはずです。

my-museの読者のみなさんへ

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最後にmy-museの読者のみなさんにメッセージをお願いします。

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異変を感じたらすぐに病院に行ってほしい、その一択です。 私自身がそうだったんですけど、会社勤めの時にメンタルの上げ下げが激しくて病気を疑っていたのですが、生理のことを調べていくうちに、それがPMSだということが判明しました。 婦人科に行けば処方してもらえるピルがあって、それを飲むようになったら見事に解消されたんです。 毎月決まってネガティブな感情が押し寄せて、あの悩んだり落ち込んでいた時間を返してほしいってくらい(笑)すごく楽になって生きやすくなりました。 やはり知識を持った人に相談して対処することが大切だと思います。経血量が多いとか生理痛が酷いとか、本来は我慢することじゃなくて治せることだと思うので、ちゃんと病院に行って適切な治療を受けてもらいたいな。 今までは人とシェアする話題ではなかったかもしれませんが、少しずつ社会が変化していき、友人間でも少しずつ話す機会ができている気がしています。 今まで自分のケースが当たり前だと思われてきましたが、実は違うということに気づくきっかけが世の中に増えてきました。 それに気づいた時、どのような選択をして自分仕様にカスタマイズしていくか、そんな一歩前進した時代が来ようとしています。 今はまだ日本にない選択肢も私たちの知識が増えれば、諸外国と変わらぬ選択もできるようになると思います。なので、まずは自分を知ることから始めてもらえたらいいなと考えています。 その気づきのきっかけに、私たちの商品がなれたら嬉しいです。

■Writer's Profile

渡辺由布子 Yuko Watanabe

  17歳から読者モデルとして「Vivi」「JJ」「non-no」など多数女性誌に出演。MBSラジオパーソナリティとして出演。大学卒業後、化粧品会社勤務を経て、フリーランスに転身し、ヨガインストラクターを務める傍ら、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は40カ国以上。特にタイに精通し、渡航回数は20回以上。ハワイ留学経験有り。現在は拠点をロサンゼルスに移し、東京と行き来してデュアルライフを送る。  

Life is a journey
Instagram:@watanabe_yuko
Twitter:@watanabe_yuko

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