近年お酒の飲み方の多様性が広まり、お酒に対する価値観が徐々に変化しています。アルコール市場全体が低下する中、低アルコール市場は年々拡大。

  飲みたいけれど飲めない、あえて飲まない、普段から飲む人も、あまり飲まない人も、一人一人が自分の体質や気分、シーンに合わせて、アルコールをスマートに選べる時代へ変わりつつあります。  

そんな世界的にヘルシー志向の風潮の中で、今年9月に誕生した、低アルコールクラフトカクテル「koyoi」

koyoi_illustlation.jpg

“今宵”と“小酔い”をかけ合わせた粋なネーミングや、ポップでかわいいパッケージが早くも話題を呼んでいますが、注目すべきは保存料、人工甘味料、着色料一切不使用。フルーツやハーブ、スパイスなど、自然由来の原料にこだわった、カラダに優しい、新感覚のカクテルだということ。

今回は、株式会社SEAM代表の石根友理恵さんをゲストにお迎えしました。ご自身の原体験と強い想いから生まれたというkoyoi。社長であり母である、石根さんの起業までの経緯や、セルフラブで大切にしていることなどを伺いました。

koyoiボックス.jpg
20200121_ariake634.jpg

koyoi、早速飲みました!ブルーのかわいいボックスが届いてテンション上がりますよね。一つ一つ凄く拘って作られているのを感じました。以前から食の事業に携わられていたのですか?キャリアについて教えて下さい。

ishine_p_2021.jpg

ありがとうございます!新卒でサイバーエージェントに入社後、当時の先輩が新たに立ち上げたアプリ開発・運営会社でウェブマーケティングや広報を務め、その後独立してフリーランス時期を経て、4年前に起業しました。 ジャンルは違うものの、基本的に今のウェブマーケティングは型が決まっていて、デジタル広告かSNSマーケ、もしくはメディア、PRという、手法とフォーマットは大きく変わらないので、今ある食の事業に生きています。 実は、今の会社を立ち上げたのが臨月の時だったんですよ!私、結構ワーカホリックなんですけど、初めて仕事辞めたいと思いましたね。 今考えればわざわざそのタイミングで法人化しなくても良かったんですが、妊娠中は物理的にも精神的にも大変なことだらけで投げ出したくなりそうなところ、自分への戒めというか、逃げられない環境を自分自身で作りました。そこから2年くらいは子育てに追われて、仕事としてはPR代行くらいしかできていなかったのですが、今では娘も4歳になって漸く落ち着いてきたので、食のD2C事業に振り切ってやっています。

koyoiイメージ.jpg
20200121_ariake634.jpg

食のD2Cに至ったきっかけはありますか?

ishine_p_2021.jpg

弊社では「ココロとカラダを満たす食体験を作る」というビジョンを掲げているのですが、これは完全に私自身の2つの原体験から来ているんです。 1つ目に、私が24歳の時に父を亡くしたのですが、死因の1つは栄養不足でした。食べ物が喉に通らず、栄養失調になり極端に痩せてしまっている中、病気になり…亡くなってしまったんです。 その時初めて身近な人を失って、衝撃でした。人間って体が弱って食べられなくなるのか、心が弱って食べられなくなるのか、相反するもの、相関関係があるのだと痛感しました。 2つ目に、妊娠期に私はちょうど会社に属していなくて、フリーランスは育休・産休がないというのを分かっていたので、キャリアが分断されてしまうという恐怖観念もあって、ひたすら仕事を詰め込んでいました。寝る間も食べる間も惜しんで働いて、気づけば辛ラーメンばかり食べていました(笑)おかげで栄養失調気味になってしまい、お腹の中で胎児が病気に。臨月に差し掛かる頃の検診で「1ヶ月前と胎児の体重が変わっていませんよ。」と言われてしまったんです。それはもう完全に母体のせい、私自身の食生活が原因です。そこでお医者さんから「1日5食は食べなさい。」と勧められたのが、まさに漬物、発酵食品だったんです。弊社の漬物ブランド「和もん」の誕生のきっかけはここにあります。 この2つの体験を通して、心の栄養、例えばコミュニケーションを取りながら食事をしたり、摂取するもの自体を自分のポリシーを持って選ぶことも大切だと感じました。今後はこういった流れが一層高まってくると感じ、付加価値のある食体験を作っていこうと思ってこの事業を始めました。

20200121_ariake634.jpg

コロナ禍で食のD2Cブランドは増えていますが、なぜ低アルコールクラフトカクテルを作ったのですか?

ishine_p_2021.jpg

ビジネス的な側面で言うと、低アルコールはグローバル目線でトレンド。大手企業が参入している領域ですが、まだ確立しているブランドが少なく、D2Cとして参入できる可能性が十分あるなと思っています。 想い的な側面で言うと、父がアルコール中毒だったことがあります。お酒を飲むと人が変わってしまい、自分でもコントロールできなくなる病気です。幼い頃に父の姿を近くで見ていたので、お酒に対してはネガティブな印象でしかありませんでした。 成人して自らお酒を嗜むようになって初めて、その魅力に気づきました。お酒ってそもそも嗜好品で、人を幸せにするツールであり、コミュニケーションツールであり、癒しの空間を演出するツールでもありますよね。幼い頃のお酒に対するネガティブな感情と、今こうしてお酒によって恩恵を受けているポジティブな感情が共存している感じです。 とはいえ調べてみると、お酒による健康被害は増えているのが現状です。アルコール度数の強いお酒を飲んで酔って現実を忘れよう、と考える消費者も少なくないはず。ただ酔っ払うことではなく、心地よい気分になって明日への活力にすることを目的に、お酒の飲み方や在り方を見直し、新たに創出していきたいと考えています。 koyoiはできるだけ自然でより良い形でお届けするという、ナチュラル製法に拘っていて、心や体を労りながら飲めるお酒でもあります。同時に、「セルフモチベーションアイテム」というコンセプトを掲げていて、koyoi片手に自愛する、自分を癒してあげる時間になればいいなと。 女性は自身の原体験や想いからプロダクトを作るケースが多いと思いますが、私もそのうちの一人で、こうやってメディアで話すのは今回が初めてです!

Tropical_breeze.jpg
20200121_ariake634.jpg

そんな貴重なお話をありがとうございます!ブランドを作る上でビジネスモデルや参考にしている企業などありますか?

ishine_p_2021.jpg

低アルコール市場はたしかに拡大していますが、koyoiをリリースしてみて改めて分かったのが、今までにない新しいジャンルだということ。クラフトジンとかクラフトビールはすでにありますが、「クラフトカクテル」というのは私たちがkoyoiを作る上でこのジャンルを確立しようと思った造語なんです。缶チューハイとは製法も何から何まで違うし、シャンパンでもワインでもない。Koyoiは今までにない「クラフトカクテル」だからこそ、新しいカテゴリを作ることに悩みながら挑戦しています。

低アルコールイメージ.jpg
20200121_ariake634.jpg

低アル?微アル?ノンアル?その違いは何ですか?

ishine_p_2021.jpg

微アルはアルコール度数0.5%というイメージ戦略で宣伝されている印象なので、残念ながらジャンルでいうとアルコール飲料ではないんですよね。ノンアルコールカクテルは、アルコールではないですよね。 コロナ禍で長い外出自粛期間のおかげで、飲み会が減り、人前で酔っ払う必要がなくなり、自宅で静かに飲むならアルコール度数は低めで、翌日に残らないようなお酒が良い。人々の食生活自体に変化が起こり、健康意識が高まったんだと思います。 koyoiのテーマは“MORE HAPPY MORE HEALTLY=いつものお酒より心が上がるのに、いつものお酒より体に優しい”です。なのでハーブやスパイスを取り入れたり、甘酒をベースにしたり、人工甘味料不使用だったり、体にも心にもやさしいお酒を目指しています。 実際に作り方も本格的な味わいを楽しめるよう工夫しています。まず生のフルーツやハーブを使った、まさにバーで提供されるようなカクテルレシピを考案して、酒蔵さんとレシピをもとに商品開発するんですが、これが大変で。元のレシピの味を再現したものを瓶の形で提供するには、素材、原料の配合、香りをまた改めて開発しなおす必要があります。さらに弊社ではできるだけ自然な素材で作ることを心がけていたのでものすごい手間がかかっていて。何度も商品開発を繰り返しいただいているパートナーの酒蔵さんには頭が上がりません。

Herbal_detox.jpg
20200121_ariake634.jpg

セルフラブがテーマの媒体ですが、自分を好きでいるために心がけていることはありますか?

ishine_p_2021.jpg

セルフラブってまさにkoyoiのテーマなんです!先ほどもお話したように、koyoiはセルフモチベーションアイテムを目指しています。 自分自身のことで言うと、生きるための3ヶ条を掲げています。 1. 自分は自分 社長であり、母であり、女性であるように、誰もが色々な顔や役割を持っていると思いますが、結局自分は自分。役割に振り回されると、周りの環境や他人の意見にも振り回されてしまいます。もちろんそれも大事なんですが、それ以前に自分の直感や感情を大事にしていきたいなと思っています。 2. 喜びを分かち合う いかに周りとポジティブに関わっていくかが重要だと考えます。特に会社をやっていると良い事も悪い事も繰り返し起こるので、どんな些細なことでも良いから、その都度メンバーとガッツポーズ(=喜び)を分かち合うように心がけています。 3. 恐れず踏み出す ちょっと体育会系っぽいですが、恐怖心があると自分の殻に閉じこもってしまい、行動を狭めてしまいがち。不安なことも全部自分の妄想だと思うようにして(笑)、未来しかないと思い込んで突き進んでいます。実は私、オタクの根暗でネガティブな人間なんです。嫌われたかな?とか、悪い印象を与えてしまったかも?とか、昔はよく人の顔色を伺っていました。もちろん今もあるのですが、でもまぁ多少そう思われたとしてもいいや、って思えるようになりました。これも思考の訓練ですね。

20200121_ariake634.jpg

今後の展望はありますか?

ishine_p_2021.jpg

koyoiが実現したい世界はまさにセルフラブ、自分を癒して愛する、自分を大切にする世界です。そのための一つのツールとして飲んでもらいたいし、出来るだけたくさんの人に届けて、ひたすら会社の事業を大きくしていく、と言うのが中長期的なビジョンです。 12月からはヒルトンお台場への常設や、代官山蔦屋でPOP-UPが決まっています。ホテルなどは特に親和性が高く、「シーンペアリング」の世界観を実現できるチャンスだと思っています。リリースして3ヶ月ですが、ちょっとずつ芽が出てきたような気がしています。

koyoiシーンペアリング.jpg
20200121_ariake634.jpg

my-muse読者にメッセージをお願いします。

ishine_p_2021.jpg

私自身、ここに至るまで失敗も反省も多く、波乱万丈な人生でした。こういう人生の生き様を一つの参考事例にできたらいいなと思っています。 女性ってやっぱり女性としての出来事が多いじゃないですか。結婚、妊娠、出産も、女性のライフプランにいろいろ組み込まなきゃいけないタイミングがギュッと凝縮している。私は自分の仕事人生とそれらを分断せずに生きていく、ということを実現したい。 後悔のない選択をして、一度選択したらその道を正解にしていく!そのくらいの気持ちで、強く生きていこう、と自分へのメッセージを含めて思います。

株式会社SEAM
koyoi

■Writer's Profile

渡辺由布子 Yuko Watanabe

17歳から読者モデルとして「Vivi」「JJ」「non-no」など多数女性誌に出演。MBSラジオパーソナリティとして出演。大学卒業後、化粧品会社勤務を経て、フリーランスに転身し、ヨガインストラクターを務める傍ら、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は40カ国以上。特にタイに精通し、渡航回数は20回以上。ハワイ留学経験有り。現在は拠点をロサンゼルスに移し、東京と行き来してデュアルライフを送る。

  渡辺由布子 Yuko Watanabeさんの新着記事はこちら    

Life is a journey
instagram:@watanabe_yuko
Twitter:@watanabe_yuko
0012

「音楽という魔法で、共振・共鳴の世界を」鍵盤ハーモニカ奏者・ 妹尾美穂さん

♯グッドバイブスウーマン vol.6。 今回ご登場いただ くのは、鍵盤ハーモニカ奏者の妹尾美穂さん。誰も が小学生の頃に授業で触れたことのある“あの”鍵盤ハーモニカ。プロ奏者として活動する妹尾さんは、 なぜ鍵盤ハーモニカだったのでしょうか。

2024.07.06

Interview

Career

F20BB4F5-B651-4F3C-919F-3DD1F8F3BDC2

【My Egypt Japan】/古代エジプトから伝わる神秘のエジプシャンオイル

なぜ、私たちは「からだにいいもの」を使いたいと思うのでしょうか。 健康になりたいからでしょうか? 美しくなりたいでしょうか? どれも正解かもしれません。 いずれにせよ、その奥に潜むリレーションシップ(関連性やつながり)に、目を向けることこそが本質的なウェルネスにつながるのではないでしょうか。

2024.06.28

Wellness

ノマドランド

「私のバイブル」vol. 1 ライター・黒部エリさん

自身が持つ才能を活かし、クリエイティブな生き方をしている素敵な人に、ミューズたちの指針や道標となり、My Museの在り方を体現するような映画や本、アートをご推薦いただく「私のバイブル」。

2024.06.19

Culture

IMG_9613

「温めすぎて噴き出たダンスへの想い。挑戦することで生まれるエナジーとは」ダンスWS主宰・ERIKOさん

♯グッドバイブスウーマン Vol.5。今回ご登場いただくのは、骨格メソッドの施術や「挑戦を応援し合う」をテーマにダンスWSを開催している小黒英理子さんこと、ERIKOさん。10代から続けてきたダンスを10年前に引退し、ブランクを経て40代の再挑戦。その挑戦は、どのようなバイブスを生んでいるのでしょうか。

2024.06.14

Interview

Wellness

Kurisu1

「それぞれの人が自分らしく生きることのできる世界を作るため、私は“無色”になる」アートプロデューサー・栗栖良依さん

「#グッドバイブスウーマン」第四回にご登場いただくのは、25年以上にわたり、異分野、異文化の人やコミュニティをつなぐことで新たな価値を生み、対話や協働のプロセスを踏みながら社会変革に挑む、栗栖良依さんです。

2024.06.10

Interview

Career