Wellness
アメリカ育児で感じた性教育と子育てのあり方
アメリカで妊娠、出産を経験し、1歳半の息子の子育てに奮闘する毎日。
初めての育児で右も左も分からない中でも、アメリカで子育てをしていると何気ない生活の中でも、日本との違いを肌で感じることが多くあります。
今回は、現在進行形で子育て真っ只中な私が感じた性教育と子育てのあり方をお話したいと思います。
2021.08.31公開
日本には多くの温泉地があり、『裸の付き合い』といった言葉があるほど、家族や他人との入浴文化が根付いた国です。子どもを持つ多くのご家庭でも当てはまることで、お子さんのお風呂担当はパパ、なんてご家庭も多いのではないでしょうか?
アメリカでも、子どもをお風呂に入れるお手伝いをするのは父親の仕事といったご家庭は多くあります。しかし、たとえ我が子でも一緒にお風呂に入るという行為はもってのほか!
日本では沐浴を終えたら一緒に入浴することが多いかと思いますが、アメリカでは子どもがある程度大きくなるまで沐浴のようなスタイルで専用のベビーバスを使います。一般的な浴槽に入れるくらいに子どもが大きくなったら、親は子どもの入浴を浴槽の外から衣類を着た状態で見守り入浴のお手伝いをします。
親が子どもと一緒に入浴することはたとえ親子でもプライバシーの侵害、または最悪の場合は性的虐待と捉えられてしまいます。アメリカでは、子が生まれた時から一個人として尊重して子どもと向き合うので、子どものプライバシーもしっかり守ることを徹底しています。そのため、一緒にお風呂に入浴することはありません。子育てや子どもとの向き合い方の違いが、アメリカと日本の性教育の違いにも少なからず繋がっているように感じます。
性教育は3歳からが望ましいと言われています。3歳と聞くとまだまだ性教育は不要にも感じますが、物心着く前から正しく教えることによって、性に対する恥ずかしさや偏見がなくなるのではないでしょうか。
3歳から何を教えたらいいのか?と構える必要はなく、男の子と女の子の違いやどうして赤ちゃんができるのか?親が誤魔化さずにしっかりと子どもの質問に答えられるオープンな環境が必要だと私は感じています。
この先、息子が成長し、性に興味を持ち始めた時にはしっかりと正しく答えられるように親である私たち夫婦が正しい知識を身につけていなくてはと、親になり再認識させられました。
日本では、性教育といっても、月経や精子と卵子の性の違いに軽く触れる程度で、正しい避妊法は愚か、性の話はタブーとされてきた風潮がありますよね。思春期の頃の性の話はタブーなのに、ある程度の年齢になると、結婚は?子どもは?孫の顔が見たいなど言われた経験はありませんか?
なぜ子どもができるのか?この話は避妊の必要性にも繋がってくるのに、性の話はタブー、しかし、ある程度大人になったら子どもはまだかと言われる。矛盾していると感じた方も読者様の中にもいらっしゃるのではないでしょうか?教わってないから正しく教えられない、性の話は家庭ではしないもの、そう思っても仕方ないと思います。
しかし、だからこそ、親になった今、まずは自ら学び性教育の必要性を再確認してみてはいかがでしょうか。性教育を正しく身につけることは、相手を傷つけないのと同時に、あなたのお子さま自身が自分の身を守る術を身につけるのと一緒です。
子どもは好奇心旺盛な生き物。気になったことはなんでも触りたいし知りたい。そんな子どものアンテナを満足させるためにも、性に関わる質問をされた時でも、なんとなく誤魔化すのではなく、話せる範囲でしっかりと子どもと向き合うことから始めてみてはいかがでしょうか。
また、日本は不思議な国で、性の話はタブーでありながら、幼少期などのスカートめくりなどのちょっとしたイタズラや社会に出ても尚、セクハラだと感じる事が普通にまかり通ってる事が多いな、とも感じます。
しかし、それは日本では『普通』でも、世界では普通ではないかもしれません。先ほど例に挙げた、親子の入浴でもそうですが、国が変われば性への向き合い方もさまざま。
特に今はSNSが普及したことにより多くの情報があふれ、いつでも誰でも簡単に情報にアクセスする事ができる時代です。間違った性の知識にはしっかりと”NO”と言って正せる立場でありたいですね。
グローバル化が進んだ今、お子さまの将来を考えた時、語学の勉強だけでなく、性との向き合い方や、日本と世界の性への価値観の違いをしっかりと教えることはとても大切だと思います。
アメリカ人夫と国際結婚。一児のおとこのこママ。妻になってもママになっても私らしく!夫と息子とアメリカ暮らしを満喫中。
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