イベント概要

  フェミニストが運営する日本初のラブグッズストア「ラブピースクラブ」が主催する色々な国の人たちと生理についてとことん語るイベント「ラブピースクラブの生理トーク Vol.2」が開催されました。  

  今回は、台湾発の吸水ショーツ「ムーンパンツ」開発者のユアンイーさん&ジャーナリストの伊藤詩織さんをお招きし、日本と台湾の生理カルチャーの違いやさまざまな問題について語るディープなトークセッションとなりました。  

  前回イベントレポート「ラブピースクラブの生理トーク vol.1」はこちら  

  開催日時:11月4日(木) 19:00~(中国語⇔日本語の翻訳あり)  

登壇者プロフィール

  ユアンイーさん(ムーンパンツ開発者)  

  台湾発吸水ショーツ「ムーンパンツ」の開発者であり、月経カップ「フルムーンガール」のデザイナー。さらに「生理オタク」として世界中の生理用品や生理を取り巻く環境を研究しています。  

  伊藤詩織さん(ジャーナリスト)  

  世界各地を取材するジャーナリスト。伊藤さんは「ムーンパンツ」愛用者として、プロダクトへの愛を語ります!  

  北原みのりさん(ラブピースクラブ代表)  

  1996年にフェミニストが運営する日本初のラブグッズストア「ラブピースクラブ」をスタートし、現在も代表を務める。シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表。  

  【参考プロフィール】  

  北原みのり〈コラムニストプロフィール〉 | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com)  

オンラインイベントの内容は?

ユアンイーさんが「ムーンパンツ」を開発したきっかけは?

image4.jpg
【挿入画像/ムーンパンツ Instagramアカウント】

  元々プロダクトデザイナーとして活躍していたユアンイーさん。月経カップ「フルムーンガール」のデザインを請け負ったことが生理用品に対する理解が深まるきっかけになりました。  

  その後ユアンイーさんは台湾に吸水ショーツが無いことに目を向け、「ムーンパンツ」の開発に着手。  

  月経カップ「フルムーンガール」の開発者ヴァネッサさん(「ラブピースクラブの生理トーク vol.1」の登壇者)はユアンイーさんの友人でもあるそう。この瞬間に台湾の生理用品開発に連鎖が起こったのですね。  

台湾で生理はどのように扱われているの?

image1.jpg

  近年台湾では生理用品のCMに男性芸能人が起用され「男性が女性のために生理用品を購入する」というシチュエーションの広告が多く見られるように。  

  ジェンダーに関わらず生理についてオープンに話すことが許される雰囲気が徐々に生まれてきたようです。  

ムーンパンツのCMが衝撃的!

  イベント内では台湾で実際に放映されているムーンパンツのCMが映されました。生理による体調の変化には個人差があることをユーモアたっぷりに描いた映像は、商品プロモーションの枠を超えて生理についての理解を深められる作品に仕上がっています。  

  加えてユアンイーさんは、コミカルな映像に仕上げた理由として、見た人がSNS上で拡散したくなる心理を刺激するからという考えを説明。このような工夫によって知らず知らずのうちに社会の中で生理に対する認知が広まっていくのかもしれません。  

  【「吸血月亮褲(台湾ムーンパンツ)」のCM】  

吸水ショーツを通した心理面のエンパワメント

image3.jpg

  トークは最近ニュースでも取り上げられることが多い「生理の貧困」の話題へ。  

  幅広い視野を持つ伊藤さんは、経済的な理由から生理用品を購入することが難しい方が定期的に使い捨て生理用品の補助を受けなければならないことに触れていました。吸水ショーツのように自分で洗濯し繰り返し使えるサスティナブルな生理用品の普及により、支援される方は自分で生理期間を乗り越えられる実感を得られるのではと述べました。  

  「ムーンパンツ」は路上生活者をはじめとする生理用品が必要な女性たちに寄贈されています。このような活動を通して彼女たちの自尊心や自立心を育むことが大切であるとユアンイーさんは語りました。  

吸水ショーツ開発者が語る、新しい生理ライフのススメ

image2.jpg

  生理用品の選択肢が増えてきている今、私たちはさまざまな形状や素材の生理用品にアクセスできるようになりました。  

  多種多様なプロダクトを試したり組み合わせたりすることを通して体調やライフスタイルに最もフィットするものを見つけていただき、生理期間を共に歩む頼もしいパートナーとなることを願っています。  

  【イベント動画】  

  【参考】  

  生理オタクがはじめた世界を変える試み。ムーンパンツ開発者×伊藤詩織さんのトークセッション by ラブピスタッフ|LOVE PIECE CLUB(ラブピースクラブ)  

■Writer's Profile

竹田 歩未 Takeda Ayumi

  関西在住の大学生。「わたしの性は、じぶんゴト。」というテーマでフェムテックグッズを紹介するフェムテクラブ(Instagram @femteclub)を運営。大学ではジェンダーについて学ぶ傍ら、台湾好きが高じて中国語学習に奮闘中。    

Instagram:@ayumin_tkd
Instagram:@femteclub

  Ayumi Takedaさんの新着記事はこちら    

_DSC1727

「ゴールは同じでも、道のりは自分流」これからの時代が求める働き方改革とは

医療×テクノロジーを組み合わせた事業を展開する「Neautech(ニューテック)」取締役・村山しりかさんにインタビュー。取締役として経営の第一線に立ちながら、一児の母として子育てにも重きをおき、さらに沖縄県からリモート勤務をしている村山さん。仕事にも家庭にもフルコミットしている村山さん流の「バランスの取り方」とは?

2025.04.25

Interview

Career

Thumbnail (1)

「私のバイブル」 vol.7/シンガーソングライター・AISHAさん

自身が持つ才能を活かし、クリエイティブな生き方をしている素敵な人に、ミューズたちの指針や道標となり、My Museの在り方を体現するような映画や本、アートをご推薦いただく「私のバイブル」。

2025.04.21

Culture

Megumi Prof2

「世界を舞台に、“幸せの循環”を生むビジネスを」シンガポール在住・フローレンスめぐみさん

シンガポール発ウェルネス&ビューティーブランド「WHITETREE」代表・フローレンスめぐみさんにインタビュー。「WHITETREE」でプロデュースしているハーブティーは、大手デパートや一流ホテル、病院などで取り扱われ、世界6カ国で展開。海外進出支援から、商品開発の監修、ホテルのウェルネスプログラム開発など、事業は多岐に渡ります。めぐみさんが起業した理由、そして今後目指すもの、本質的な幸せや豊かさについてなど、ビジネスだけではない人生論について、お話を伺ってきました。

2025.04.16

Interview

Career

精油pic

最上のフランキンセンスで、本来の自分へと導く「Nu Frankincense」

ウッディでスパイシーな香りで心身を穏やかにしてくれる、フランキンセンス。実は、植樹が極めて難しい種のため、なかなか上質なものにも出会えないのが実情。今回は希少とされる南オマーン産ボスウェリアサクラのフランキンセンスを扱う、「最上のフランキンセンスで、本来の自分へと導く「Nu Frankincense」をご紹介。なぜだか自分と繋がるような、潜在的に働きかけてくれる香りを楽しんで。

2025.04.07

Wellness

0049_xlarge

PRプロデューサー・笹木郁乃さんが語る、「“いいモノ”だけでは売れない時代に、どう戦う? PRの極意とは」

「エアウィーヴ」「バーミキュラ」を大ヒットさせた立役者でもある、PRプロデューサー・笹木郁乃さんにインタビュー。「PRは、社会を変える力がある」と語る笹木さん。その極意とは? そして仕事や家庭を両立しながらのライフスタイル、自身の在り方についてお伺いしてきました。

2025.04.03

Interview

Career