我が家には5年前に保護施設から引き取り、家族として迎えたワンコがいます。正確には保護施設と我が家との間にボランティアの愛護団体さんに入ってもらいワンコの健康状態や検査などをしてもらってから我が家に来てくれた…という流れです。
子どもが自分の誕生日に「ワンコが欲しい」と。もともとは弟が欲しかったようなのですが、私が2人目の子どもを授かることができず、自分の相棒が欲しかったようです。子どものそのような気持ちも私たち夫婦はよく理解していましたし、主人は子どもの頃からワンコがいる家庭環境で育っていたので比較的にスムーズにワンコを家族に迎えることになりました。
また、私にはもともとワンコを家族に迎える=ペットショップに行くという概念がなく、血統のワンコもとてもキュートで食べちゃいたいくらい可愛いと思いますが、そこにも大きなこだわりがないのです。ではいったいどこにこだわりがあるのかというと、『命』ここだけかもしれません。
「自分自身になんの落ち度もなく、楽しいことを知らないまま殺処分されてしまうワンコを引き取りたい」そう思いました。その考えは以前から家族みなで自然に共有していたので我が家にとって、保護犬を受け入れることはとても自然なことでした。
我が家では保護犬であることを特別視してはいないので保護犬を受け入れるために…というよりは、新しい家族が増えるという前向きで希望に満ちた思いで受け入れる準備をしていました。ただ、ワンコには理不尽な理由で生命の危機と隣り合わせになった経験があるのでどんなに個性的なコがきても全てをポジティブにとらえて受け入れようと、そう思っていました。
ワンコが我が家にきてくれた当時は、がりがりに痩せていて隅っこに隠れて大きく震えていました。また「ワン」と鳴くことも一切なく、翌朝から逃亡してしまったりと。ただ食欲だけはしっかりあり、うれしいような切ないような気持ちでした。
ワンコが我が家に来て10日くらいたったころから、夜中に「うーうー」と低い声で鳴きだし、その数日後「ワン」と吠えることができるようになりました。動物病院の先生が「ワンコも人間と一緒で、すごく悲しいことや怖いことがあると声が出なくなることがあるんだよ。ただ生活に慣れれば少しずつ声が出るようになるからね」と。
まさにその通りでした。5年たった今でも我が家のワンコは臆病でツンデレでとても個性的なワンコです。近所の人に「このコはまだ人間に慣れないの?」と言われることも多々ありますが我が家ではこのコの、『3歩進んで2歩下がる』のゆっくりとした成長をじゅうぶんに理解しているのでこのままのワンコでいいと思っています。
我が家では子どもに自分自身はもちろんのこと、他者の『命』の大切さを実体験に基づき自然に学んでいけたらと思って保護犬を家族として受け入れました。
5年もの年月を経て我が家のみなが思うことは、『動物を飼う=動物を買う』という、おかざりではなく、『そのコの一生を守る、生として長生きさせる』ということに目を向けていかなくてはいけないということです。人間のエゴだけでなく動物や植物が共存する社会ができたらと思っています。
我が家がたくさんいる保護犬のなかで、たった1匹のワンコを受け入れたことは、地球上でみたらとても些細なことですが、子どもを通じながら、子どもの友達や保護者が保護犬を身近に感じることにより次の世代へと『動物や植物との共存』というものをつなげていけたらと思います。
元読者モデル/色彩検定3級/化粧品会社社内技術検定2級/ナチュラルビューティースタイリスト/ペットシッターアドバイザー&ホテルソムリエ/アラフォーママ/美容を中心にライフスタイル、食事、保護犬などの記事を執筆しているライターです。
ochapichanさんの新着記事はこちら
最近の記事
Recent articles
「ゴールは同じでも、道のりは自分流」これからの時代が求める働き方改革とは
医療×テクノロジーを組み合わせた事業を展開する「Neautech(ニューテック)」取締役・村山しりかさんにインタビュー。取締役として経営の第一線に立ちながら、一児の母として子育てにも重きをおき、さらに沖縄県からリモート勤務をしている村山さん。仕事にも家庭にもフルコミットしている村山さん流の「バランスの取り方」とは?
2025.04.25
Interview
Career
「私のバイブル」 vol.7/シンガーソングライター・AISHAさん
自身が持つ才能を活かし、クリエイティブな生き方をしている素敵な人に、ミューズたちの指針や道標となり、My Museの在り方を体現するような映画や本、アートをご推薦いただく「私のバイブル」。
2025.04.21
Culture
「世界を舞台に、“幸せの循環”を生むビジネスを」シンガポール在住・フローレンスめぐみさん
シンガポール発ウェルネス&ビューティーブランド「WHITETREE」代表・フローレンスめぐみさんにインタビュー。「WHITETREE」でプロデュースしているハーブティーは、大手デパートや一流ホテル、病院などで取り扱われ、世界6カ国で展開。海外進出支援から、商品開発の監修、ホテルのウェルネスプログラム開発など、事業は多岐に渡ります。めぐみさんが起業した理由、そして今後目指すもの、本質的な幸せや豊かさについてなど、ビジネスだけではない人生論について、お話を伺ってきました。
2025.04.16
Interview
Career
最上のフランキンセンスで、本来の自分へと導く「Nu Frankincense」
ウッディでスパイシーな香りで心身を穏やかにしてくれる、フランキンセンス。実は、植樹が極めて難しい種のため、なかなか上質なものにも出会えないのが実情。今回は希少とされる南オマーン産ボスウェリアサクラのフランキンセンスを扱う、「最上のフランキンセンスで、本来の自分へと導く「Nu Frankincense」をご紹介。なぜだか自分と繋がるような、潜在的に働きかけてくれる香りを楽しんで。
2025.04.07
Wellness
PRプロデューサー・笹木郁乃さんが語る、「“いいモノ”だけでは売れない時代に、どう戦う? PRの極意とは」
「エアウィーヴ」「バーミキュラ」を大ヒットさせた立役者でもある、PRプロデューサー・笹木郁乃さんにインタビュー。「PRは、社会を変える力がある」と語る笹木さん。その極意とは? そして仕事や家庭を両立しながらのライフスタイル、自身の在り方についてお伺いしてきました。
2025.04.03
Interview
Career