Wellness
医薬部外品と化粧品の違い、説明できる?覚えておくと安心できる美容の基礎知識
ドラッグストアや薬局で見かけるスキンケア商品に表示されている「医薬部外品」。目にする機会は多いものの、この言葉の意味をご存知でしょうか。肌を保湿したい、シミ対策をしたいと目的を持って購入することが多いスキンケアだからこそ、パッケージに表示されている情報の意味を理解することが大切です。ここでは医薬部外品と化粧品に関するそれぞれの定義、違いや使い方について美容の基礎知識を解説していきます。
2022.05.25公開
スキンケア商品を手にとって、最初に気付くことといえば「医薬部外品」と書かれているかどうか。表示があるものは「医薬部外品」ないものは「化粧品」と分類され、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全せいの確保等に関する法律(=薬機法)の基準によって分けられています。
効果の強さは、化粧品より医薬部外品の方が目的に対する有効成分が含有されていると言われるものの、化粧品メーカーによっては医薬部外品と同等クラスの商品も。
その上に、医師によって処方される「医薬品」があります。つまり私たちが日常で目にするものは大きく分けて3つ。「医薬品>医薬部外品>化粧品(商品によって異なる)」という目安から、効能・効果の強さをざっくり判断することができるのです。
3つの中で最も効果が強い医薬品は、医療用医薬品とOTC医薬品に分類され、それぞれ異なる定義を持ちます。
医師の処方箋、もしくは医師の指示によって供給されたものは医薬品。
薬剤師や登録販売者など専門家が情報提供をすることを前提に、処方箋が必要とされる「要指導医薬品」や医療用医薬品として取り扱われない一般用医薬品。
いわゆる「第一類医薬品」「指定第二類医薬品」「第二類医薬品」「第三類医薬品」はOTC(Over The Counter)医薬品と呼ばれています。
医薬品の次に位置する医薬部外品の定義は、人体に対する作用が緩和なもので機械器具等ではないものです。
スキンケア商品の場合は薬用化粧品を指しており、厚生労働省が許可した有効成分が一定濃度で配合されていることが条件となります。薬用化粧品としての承認が必要とされ、予防・防止といった薬用効果が目的となります。
化粧品の定義は、美しく見せる、皮膚にうるおいを与える、頭皮や毛髪を健やかに保つなどを目的としたもの。人体に対する作用も緩和なものであり、薬機法により全成分の表示が義務付けられています。
肌荒れや赤みがひどいなど、自分では手に負えない症状を治療したい場合は、医師が処方する医薬品がおすすめ。
ただし治療目的となるため、扱い方や副作用には十分な注意が必要です。皮膚科に足を運ぶなど本格的な治療でなければ、上記で説明したOTC医薬品をドラッグストアや薬局でチェックするのもOK。
要指導医薬品や第一類医薬品の場合、店頭にあるものは空箱陳列となっているはずなので、薬剤師から使用方法や副作用の説明を必ず受けた上で購入します。
第二類医薬品、第三類医薬品はそのまま手に取って購入可能ですが、肌へのリスクを考えるなら薬剤師や販売登録者にしっかり相談した上で購入する・しないの判断が推奨されます。
2014年より、第一類・第二類・第三類医薬品は厚生労働省が許可した業者のみインターネットから購入できるようになりましたが、アレルギーなど気になる症状がある場合は対面での相談がおすすめです。
国が認めている成分が配合された安全性の高いスキンケアを使いたいという方は、医薬部外品をチェック。有効成分の濃度や安全性、品質はもちろん、医薬部外品は医薬部外品の製造認定を受けた工場での製造など、厚生労働省の承認を得ていることが原則です。
こうした厳しい基準をクリアした上でドラッグストアや化粧品コーナー、インターネットで購入できるので、信頼性という点で視野に入れるという点では大きく理にかなっていると言えるでしょう。
医薬部外品として認可されている成分にも「アスコルビン酸(ビタミンC)」「海藻エキス」「加水分解コラーゲン液」「カミツレエキス」「プラセンタエキス-1」をはじめとする数百ページに及ぶ成分リスト一覧があり、実績のある組み合わせが選ばれていきます。
広告表現も「ニキビを防ぐ」「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」「肌を清浄にする」「皮膚をすこやかに保つ」といった効能効果の範囲を認められているので、目的が明確にある方に適しています。
ただし、新しい成分や組み合わせ、最新の技術を採用しにくい(承認に時間がかかる)というデメリットがありますので、ここも理解したうえで選んでみてください
新しい成分や技術を取り入れた化粧品を使ってみたいと考えている方なら、化粧品を選ぶのもおもしろいところ。
法律という観点から見ると効果効能への期待が下に見られがちな化粧品ですが、化粧品基準を守ればオリジナルの配合で自由に成分を組み合わせて化粧品作りができるという強みもあります。
これから化粧品を手に取るときにはぜひケアアイテムの分類表示などもチェックしながら選んでみてはいかがでしょうか。
ライフスタイルライター|日本化粧品検定1級|TCカラーセラピスト|旅、美容、グルメ、おしゃれ、働くアラフォーの心に響いたリアルライフを執筆
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