Interview
♯グッドバイブスウーマンvol.6<鈴木優菜さん/衣装・刺繍作家>
#グッドバイブスウーマン。その方の信念や生き方、在り方がわかるような、「10の質問」をお届けします。本連載は、グッドバイブスな友人・知人をご紹介していくリレー形式。第六回目にご登場いただくのは、衣装・刺繍作家の鈴木優菜さん。
2024.11.22公開
鈴木優菜/Yuna Suzuki
千葉県出身。高校から服飾を学び、文化服装学院デザイン専攻科を卒業後、衣服を中心に刺繍・テキスタイル・ものづくりなどのアート活動をしている。
衣装作品はデザイナーYUNA SUZUKIとして「 思い出を着る」をテーマに高円寺「はやとちり」にて販売をしている。
A.肩書きは特になくて自由にその時の自分がしたいこと、作りたい物を作って働きながら作家活動をしています。
作品は刺繍や衣装が中心で「思い出」からインスピレーションを受け制作し、高円寺にある服屋さん「はやとちり」にて販売させていただいてます。
このお店は専門学校の時に高円寺に住んでいた友達の家によく居候してた時にたまたま発見して、卒業したらここに私の服を置いて欲しい!と売り込みに行ったお店です。衣服だけでなくギャラリーやバーで写真や絵画の個展をしたり映像作品なども制作してました。
ものづくり全般に興味があります。今は刺繍の個展をしたり、絵本を作ってみたいと思ってます。
A.好きという情熱ある気持ちと無我夢中で作っている静かな時間。
小学生の頃から手作業で何かを作ることが好きで、折り紙や手芸で遊んでいました。次の授業ギリギリまで前の授業の図工をしていたり、時間を忘れて一人で熱中していました。
また、祖母と押し花や切り絵、祖父からはカメラを教わって写真を撮っていました。そこで自分で何かを生み出したり形ある物で表現する、ものをつくることの楽しさを知りました。
"好きこそ物の上手なれ"
ということわざがありますが、本当にその通りで、好きなことは熱心に行うから、自然に工夫し勉強するようになるので上手とは言えなくても始めた時より成長はする。
それが人より長く続けられて、一生の"自分のもの"になるんだと思います。
作りつづけてあまり大きな結果がでなくても、誰か一人にでも響く作品を作ろうと思えば何年でも作り続けられるようになると思っています。
A.「自分の世界を守る」。
小さい時からついどうでもいいようなことを考えてしてしまう性格で、自分と外の世界を行き来しています。
今でも友人に、「またどっかいってたよ」と不意に言われます(笑)。
外の世界と自分だけの世界があっていいと思っていて、日常でもしっかり線引きされています。自分と外の世界を繋げるような感覚で衣服やアート作品、ものづくりをしています。
作品は自分の世界から生まれたもので、私にはこれしかないと思っているからか作品に救われていると思うことが多くて、つまずいたり迷ったとき、悲しいときは作品づくりをするとなんだか気持ちが楽になります。
大人になると無駄に傷ついてしまったり、気がついたら大切にしていたことや好きだったことや夢も忘れてしまう。そんなときがあります。
いったん自分の世界に戻って自分が大切にしたいことは何なのかを自分に問うようにしています。
好きを大切にして自分に素直に生きていたいです。
A.たくさんあります(笑)。
日々更新していてすべて今の私に繋がっている気がします。
私は双子で生まれてきて、双子の妹といつもおそろいの服を着ていたので、「妹と違う服が着たい」と思って服に興味を持ち、そのおかげで自分を目に見える形で表現できるファッションが好きになったこと。
母がディズニーが好きで小学生の時パレードを観て衣装制作に興味を持ったこと。
祖父が写真家で私が生まれてからたくさんの写真を撮っていたり、祖母はベビー服やファーストシューズを今でも大事にしまっていたり家族が思い出を大切にしていました。
小さい頃から愛してくれていたということを知り、思い出は懐かしくて暖かい気持ちになれる、幸せにする力があると気づき"思い出"が私の作品づくりのルーツになったこと。
などなどたくさんありますが…。
特に悩むことが重なり落ち込んで、もう実家にUターンしちゃおうと一時帰省していた時期がありました。
自分の部屋には入る気になれず実家のまわりを散歩したりしてました。
そんな時、ある人に言われた「続けることこそ、一番難しくて続けられてることが一番すごいことなんだよ」という言葉が私を元に戻してくれました。
どんな形でも作ることをやめないでいよう。
それに、作ることをやめたら今までの私がいなくなって私じゃなくなる怖さもありました。
まだやれるという気持ちがほんの少しでもあったことに気づき、また再スタートを切れたことは大きなターニングポイントになったと思います。
A.旅や制作活動・お店開く。
まず家族や大切な人と一緒に特別な時間を過ごしたい。美味しいご飯を食べたり見たことのない景色を観に、思い出作りの旅がしたい。
そのあと制作活動をしながらいろんなところで旅をして、たくさんの人に私の作品を知ってもらうために、国内や海外でその土地にあった作品を製作して個展を開きたい。
人を繋げる、人が集まる場所をつくりたいからアトリエ兼お店を開きたい。
お店は作品を置いたりもできる、服屋さんや雑貨屋さん、喫茶店でもいいな〜。
A.谷川俊太郎『生きる』という詩です。
言葉が好きでエッセイや詩集、絵本を良く読みます。
人生に迷った時、落ち込んだ時、救ってくれるのは誰かの言葉だと思います。
なかでも谷川俊太郎さんの詩はシンプルでとても綺麗です。
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
〈文中より〉
座右の銘という感じではないと思いますが..
理由もわからず気持ちが落ちているとき、本を開いてこの詩を読むと心が暖かくなり、リセットされます。
気持ちを切り替えるときに思い出す大切な詩です。
他には「朝のリレー」という詩も素敵で気に入ってます。
A.今すぐにでも「どこにでも行けるよスタンス」でいることです。
仕事や何に対してもここの世界しかないと思うと辛くなってしまうことがあるので常にこのスタンスでいると気持ちが少し楽になり自分らしくいれます。
私は私を幸せにすると言う気持ちが強く持ち、
自分の気持ちを無視したり我慢しないことが大切ですね。
A.今日見た夢がどんなだったか考えます。
今年は亡くなった曾祖母がよく夢に出てきました。
起きてから夢と気づき、泣きました。
生前、曾祖母はよく私の手を「器用だね」と褒めてくれました。
夢でもやさしい笑顔で出てきてはゆっくりさよならをしてくれている気がしました。
夢は何となく無意識に自分が考えていることだったり自分が意識していた事を思い出させてくれる。
今を生きるヒントだったりします。
A.やさしい人。
母は私にやさしい人になって欲しいとやさしいという字の入った優菜という名前をつけてくれました。
人はそれぞれ与えられた名前のような人になると信じているので、私も名前らしい人でいたい。
数年前、バイトしていた服屋さんに行ったら新人さんらしい子が接客の声出しで怒られていて、私もあの子だった時があったなと懐かしくなりました。
あの人もいつかの自分だったかもしれないと想像すれば。許せることやさしくできることがあるのかもしれません。
A.ものづくりをしながら好きな物に囲まれて愛する人達と穏やかに暮らすことが夢です。
どんなときも、自分がやりたいことをして生きて今が若いといいきかせて、好きなことをしながら歳を取って欲張りなおばあちゃんになりたい!(笑)
自分の人生を楽しみたいです。
作品づくりでは、自分がいなくなってからも残りづつけるような、人の心に響く作品はどれだけ時間がかかっても作れるうちに絶対作りたいです!
「紗麗ちゃんとは何年か前にインスタをフォローし合っていていつかモデルさんをして欲しいなと思っていました。私を紹介してくれた祐実さん(vol.5)との撮影で初めてお会いして念願のモデルをしてもらいました。
撮影していて私の作品よりも彼女の瞳に目がいき、何かを訴えているような瞳に自然と吸い込まれる。夢を堂々と話してくれたのも印象的でした。
彼女にしかない魅力があります」(鈴木さん)
構成/竹尾園美
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