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「自分の才能を人のために使う幸福に気づいたから」ソーシャルメディア・コンサルタント・YURISAさん

#グッドバイブスウーマン #生き方にセンスがある

#グッドバイブスウーマンvol.7。今回ご登場いただくのは、日本での芸能活動を経て、インフルエンサーとして活躍し、現在はソーシャルメディアのコンサルタントとしても活動するYURISAさんです。

2024.07.19公開

これまでの経歴や歴史をお聞きすると、驚くようなワードや出来事もありました。それでも、ご本人の雰囲気や表情から発せられる言葉や表現に、不快なものは一切ありません。キュートでリズミカルに話を紡ぐ、ユリサさんの想いとは。

@yurisa

私にはこれが合っている。あのときから変わったモノ

―いつから、現在のベースであるアメリカのロサンゼルスに住まれていますか。また、そのきっかけを教えてください。

YURISA:ロサンゼルスで暮らし始めてから8年ぐらいになります。きっかけは婚約破棄でした。2015年の秋に、彼から婚約を解消されたのですが、所属事務所の退社や芸能界を引退することはじめ、すべて結婚へ向けて段取りをしていました。その結婚がなくなっても、シンドイ芸能界に戻ろうとは思えず、精神的にもいろいろな意味で、“元には”戻れなくなってしまって。

住む場所がなくなって、東京自体にもいたいと思えず、「これはすべてリセットだ」と思ったんです。そこで、アメリカ人でもある私が、第二の人生をスタートさせる場所に選んだのが、家族も住んでいるアメリカでした。父方の家族はみんな東海岸に住んでいたのですが、休みのたびに訪れていたロサンゼルスも好きだったので、住んでみようかな!と。ロサンゼルスには親戚も知り合いも誰もいなかったけれど、西海岸のほうが日本にも近く、行き来しやすそうだなと思い、選びました。

―お友達どころか誰も知らず、お仕事の当てもなく移住されたのはすごいですね。

YURISA:どちらかというと、何もしない予定でした。本当のリスタート、という気持ちでしたね。7歳から芸能活動に従事していましたから、やったことがないこと、知らないこともいっぱいあるので、3年ぐらいは旅行の延長のような感じで、“何もしないで”生きてみようと。仕事という意味でのやりたいことは、そのうち見つかるだろう、というふうに考えていました。

―軽やかに行動するところがいいですね。

YURISA:意外にも! 本来はそういうタイプでないと、自分では思っていました。これまでの自分は、石橋を叩いて叩いて渡るタイプだったんです。

―特に結婚という安定の象徴からは真逆ですものね。また冒険することになるのか、というお気持ちでしたか。

YURISA:おそらく、そのときは無我夢中で、とにかく頭の中を何か別のことを埋めることに一生懸命でした。頭をフル回転で別のことに使っていれば、悲しみについて考えずに済む。ふと現実を振り返ると、将来の予定や未来の安定さ、すべて失ってしまった状態だったので、そのことを考えていても、「どうしよう、どうしよう」と思ってしまうだけでしたから。右も左もわからない、挑戦しなければならない状況にあえて身を置いたということはあると思います。

―そのようなことを経てLAに来られて、現在の活動ないし肩書きを教えてください。

YURISA:現在は、インフルエンサーをしながら、クライアントさんのインスタグラムアカウントへのコンサルティング、またはマネージメントをしています。

―ソーシャルメディア・コンサルタントということですね。インスタグラムに特化していらっしゃるのですか。

YURISA:はい、インスタグラムのみです。インスタグラムビギナーや年配の方に、イチからアカウント作りすることもありますし、運用についてコンサルティングしたりマネージメントしたりしています。クライアントさんには、個人の方や企業のほか、JETRO(日本貿易振興機構)など政府関連のアカウントのお手伝いもしています。

―現在の活動に至った経緯を教えてください。

YURISA:インフルエンサーとして、インスタグラムを使い始めたのが、とても早かったんですね。アカウントの名前も6文字のYURISAのみで申請が通ってしまったぐらい、まだ誰もやっていない、注目すらしていない頃でした。「楽しいな、これ!」といった感じでやり続けていました。

プライベートとビジネスの両方に使っていましたけれど、転機はアメリカに来てから、コンテンツの焦点をボディポジティビティに当てたことでしょうか。アメリカの社会におけるボディポジティブの概念にふれて感化されただけでなく、アメリカに住み始めてから、私自身の体重が18キロ増加したんですね。日本にいるときは、芸能活動していたこともあって、抑え込んでいたものがあったのだと思います。何十年もの間、マネージャーなどから常に痩せろ、痩せろ、と言われていて。とにかく細くないとあかん、と思っていました。もともと体質的に太りやすく、食べると大きくなるタイプなので、痩せるためには食べないしか方法がなかった。ですから、10代のころは摂食障害で通院していました。食べない月、食べて吐く月、また食べない月を繰り返すような年間を過ごしていて、特に撮影などがある3日間前からは一切食べないという生活でした。

アメリカでは芸能活動をしない予定でしたし、好きなように食べよう!と決めていたので、体重は増加していきました。けれど、どうやら、まわりの反応はとてもよいぞ!?と、ある日思ったんです。日本では、ちょっとでも太ると、まわりの女の子たちから、「痩せたいよね」とか「ちょっと太ったんじゃない?」とか言われることがよくあったので、「ああ、痩せなければ」と感じていたのですが、アメリカでは「すごくセクシーだね」、「いいね、そういうボディが理想。憧れる!」と言われるようになって。男性からも女性からもほめてもらえるのでうれしくて、あまりにこれまでの環境とは違う反応だったこと、ストレスなく食と向き合っているので不機嫌にならないこともあって、「毎日(このボディで)ハッピー!!」となっていったんです。自分が無理しないでいられて、まわりにはほめられて、こんな世界があるなんて!と、想像もしていなかったことに衝撃を受けました。なので、同じ悩みをもつ人にそんなすばらしい世界もあるんだよと伝えたくて、インスタのディレクションを変え、発信するようになりました。「大きいかもしれないけど、これもすてきじゃない!?」といった投稿です。

―そこから、うまくいくようになったわけですね。

YURISA:いえ、まずフォローの数が一気に減少しました。たぶん、“これまでの私”を好きだったのでしょうね。「無理があります」、「ずいぶん太りましたね」など辛辣なコメントも送られてきました。けれど、そんなに時間のたたないうちに、「勇気を与えてくれて、ありがとうございます」、「私も自分の体が好きと思えてきました」、「いいですよね、セクシーで!」というリアクションがよく見られるようになり、フォロワーのタイプがガラッと変わりました。「私も摂食障害で悩んでいたのでそんな世界を知ることができてよかったです」といったポジティブな反応やコメントが毎日届くようになって、こういう発信を求めてくれている人たちがいるんだ、と感じ、そういった発信をするように心がけるだけでなく、自分にできることは何か、と発信の内容を追求するようになりました。そのころからですね、私とインスタとの相性の良さが伝わり始めて、コンサルタントのリクエストが届くようになりました。

―それで、現在のキャリアがスタートしたのですね。

YURISA:最初のクライアントは、日本にあるスポーツジムでした。「インスタをうまく活用したいのだけれど、どうすればいいと思う?」とのことで、運用を担当するようになり、クライアントがどの都市にいるかは関係なく、遠隔でもお仕事が成り立っていきました。

―ご自身が発信するインフルエンサーから、そのようなコンサルタントもするようになったとのことですが、自分についての発信と、クライアントのための発信または戦略は、どんな点が違いますか。

YURISA:両方やっていくなかで、私は自分のためよりも、人のために発信する、発信する戦略を考えるほうが得意だということに気がついたんです。なので、お仕事の内容としてほぼそちらへシフトしていきました。人の長所はすぐに見つけられるんです! 自分の長所は意外に見えにくい。あと、どうしても照れてしまって、自分のことは少し恥ずかしい。人の長所は、「ここ、めっちゃよくない?」と堂々と発信できます。客観視な視点をもてるほうが素直にアピールできて、私には合っているようです。やはり、人は自分について「こうありたい」、「こっちのほうがかっこいいから」と考えて優先してしまいがちです。自分のアカウントだと、「好まれる、求められる」内容を投稿するといったビジネス目線よりも、自分の好みがそのまま出てしまいますしね。「人はこういうことを喜ぶ」、「人はこういうことに興味がある」だけにフォーカスできるのがいいですね。

―では、個人の方へコンサルと、企業、団体、ブランド、商品だといかがですか。

YURISA:人ではないから、もっとストレートにアピールできます。スケジュールやいる場所に左右されないので、コンテンツ用の撮影もより簡単ですし、体調が悪いなどもないですし。自分の見せたいように見せることができ、“長所を長所として魅せる”という意味では、とてもシンプルですね。そのようなプロデュース作業をしているのが好きです。商品プロデュースも携わったことがあり、それもすごく楽しかったのですが、自分の想いやメッセージをいっぱい込めたくなってしまうので、自分で作ったものよりも、誰かがつくったものの良さを紹介するほうが楽しいです。「人にどう勧めたらいいかわからない」という人や企業のために、インスタなどデジタルを通じてお伝えするのが好きなんです。

ボディポジティブな発信が受け入れられ始めたころ

視点をずらすとみえてきた、人から喜んでもらえたコト

―長所を見つけるのが得意とおっしゃっていましたが、見つけるコツはありますか。

YURISA:おそらく、私の感じ方が“とても一般的”なのだと思うんです。特別な目をもっているなどではなく、大多数の方が思うこと、感じるであろうことを感知する。いままで誰も気がつかなかったことを見出す力があるとか、人と変わった視点をもっている、とかではないんです。以前は、「私にはそういった特別な能力は何もない」と思っていたのですが、このお仕事に関しては「多くの人はきっとこう思うのだろうな」がわかるので、それがよいのだと思います。

―その特技にはどのように気がついたのですか。

YURISA:さまざまなプロジェクトを経て、いろいろな人とやりとりしていくなかで、「こういうのおもしろくない?」、「こうやって見せたくない?」と話していて、「なんでそう思うのだろう? 絶対こちらのほうが魅力的なのに」と感じることも多くて、会議で反対の意見を言っていたんです。納得のいかないような感じであっても、結果、私の進言のほうが、届いた世間一般の方の意見と同じだったりして。答え合わせのように、あとでやっぱり、ということが重なって、クライアントの反応も変わっていきましたね。特に、クライアントさんたちの中には、社長、大きな企業や団体の重役の方も多く、何かを成し遂げた方というのは、人とは違う目線や感覚を持っている方も多くて。そういった方たちとお話していると、「私、とっても普通なんだな」と思ったんです。

―長所や特技など気づきの後、具体的にはお仕事にどのように反映させていますか。反映させるための発想やクリエイティビティの源は何でしょうか。

YURISA:とてもクリエイティブな家庭で育ちました。父はバレエダンサーで、幼少期の多くの時間をバレエスタジオで過ごし、コンサートなどいろいろな場所に連れていってもらって、音楽や芸術にふれてきました。そのような経験、体験が源泉のようなものになっていると思います。私自身は小さいころから歌手になりたかったんです。プロデビューを果たしたので、夢は叶ったことになりますが、将来の夢が歌手だったころから、詩や歌詞を書いたり、作文コンクールで何度も入賞するなど何かを書いたりするのがとても好きでした。絵を描くのは下手なのですが、画に対してお話を考えて創るなどは大好きでした。バラエティ番組に出演している時期も、一番得意だったのは、番組の演出や作家さんたちに提出しなければならないアンケート回答です。アンケートに書くエピソードのためのストーリーを構成するのが大好きで、大得意でした。芸人さんのゴーストライターをしていた時期もあります。おもしろいお話を考えたり、紡いだりするのが、とにかく楽しい。それがインスタグラムという画像や動画を通して伝えるものに変わったとしても、私の頭の中でしている作業としては変わりないんです。

―ストーリーテリングが好きで得意なのですね。

YURISA:歌手になることが夢で、それに向かって第一歩を進み始めたころには、「おもしろくないね」といろいろな人に言われたんです。「歌が教科書みたいだね」、「特別じゃないし、つまらないね」、「仮歌(どんな曲かになったかがわかる見本音源)のバイトのほうが合っているんじゃない?」と。何も特徴がない。上手いし、音は外さないけれど、それだけ。CDも出し、ライブもしましたから夢は叶えたけれど、挫折といいますか、私の歌は誰にも刺さらないんだな、と思いました。それでも作詞は好きだったので、自分の曲のためだけでなく、他の歌手に歌詞提供するなどしていました。クリエイティブなバックグラウンドはずっとあったのですが、そのためのスキルなどを自分のために使ってもあまり評価されませんでしたね。人のために使うといつも、「本当によかったです!」と言われる。ダンサーとしても活動していましたが、悪くはないけど、突出して何かに秀でているわけでない、そこそこの評判な自分が表にでるよりも、定評があったのは振付師としてのほうだと思います。私の持つクリエイティビティを誰かのために使ったときが一番評価されるのだな、と実感しました。

―人のために、とシフトしていったのは思ったとおりの夢の実現ではなかったからですか。それとも自然な成りゆきでしょうか。

YURISA:夢破れた!!と悲観することはなかったですね。むしろ、夢に向き合って、“こんなことにも挑戦できて、イエーイ!”という感覚のほうが強かったです。CDを出すこともできた、アルバムも出すことができた。うまくいかなったかもしれないけど! そこまでのショックでもなかったです、なんとなくわかっていた結果というか。「つまらない」とずっと言われ続けていたから。ある日突然、それが劇的に変化すると思っていなかったし、ある日急に人に刺さり始めるとも思っていなかったから。今思うと、ずっと持っていた“ごく普通”の感覚により、どこかで、私が売れるはずもないって思っていたので。けれど、子どものころから長年の夢だったので、挑戦する前からあきらめるということは選択肢になかったですね。でないと、次に進めないですよね。だから、“登山成功!”と思っています。目標にしていた場所まで登り続け、登頂はしましたので、さて下山しましょうか!という感じです。私の中では納得し、達成感がありました。そのあとすぐに“結婚がやってきた”ので、むしろ、「さて、(ちょうどのタイミングで芸能のことは)やめます!」と。ありがたいことに、引きとめてくださる方もいたのですが、気持ちは結婚という新しいステージに向かっていました。それで、時系列が今日の始めの、婚約破棄のところへ話が戻ります。

Yurisa in USA
新しいボディは私をハッピーに!

私もそんなロールモデルに。そういう影響を与えられるヒトになろう

―夢というワードが出たのですが、今後の目標のような夢はありますか。そもそも夢とは何でしょうか。

YURISA:具体的な目標という質問に対してだと話が逸れてしまうかもしれないのですが、昔から、モデル、歌手、バラエティタレントなど、どれをがんばっているときでも、ずっと変わらないのは、ハーフの子たちに「よかった、私もユリサちゃんみたいで」と思ってもらえる人になりたい、というのが夢です。ハーフであることで、たくさんのイジメに遭いました。私、いじめられっ子だったんです。「こんなひどい仕打ちを受けなければならないぐらい、なんで私こんなふうに生まれてきてしまったんだろう」って思っていたんですよ。どこにも当てはまらない。どのグループに属さず、仲間とは思ってもらえない。そんな私を変えたきっかけが、デスティニーチャイルドです。「ユリサちゃんってビヨンセみたいだね」と言われて。デスティニーチャイルドのコンサートで、人が写真撮影を求めて、私の前に長蛇の列をつくるんです。「ビヨンセみたいだから、一緒に写真を撮ってください!」って。私の外見は、ずっといじめられる対象だったのに、ビヨンセの登場で突如、手のひらを返すように変わりました。“ビヨンセみたいで羨ましい”。
そのときに、思ったんです。みんなから絶大な人気を得る憧れに似ているだけで認めてもらえるようになるのならば、私もそのような存在になろう。それ以来、私のテーマは、「私みたいなハーフの子から、ユリサちゃんみたいでうれしい」って思ってもらえるように、ロールモデルになれるように生きていこうって。私の得意や好みに関わらず、自分がある一定のレベルで表に出るようにしているのは、その夢があるからですね。同じ悩みを抱える人たちに届けたい、誰かに見つけてもらえたら、という想いがあるからです。自分の体がどんどん大きくなって、けれど私にはそれがハッピーなことだった。日本では、平均でないことや人と違う体型であることに悩んでいる人は多いと思う。私が今住んでいるロサンゼルスはもう少し多様性があるから、そういうこともあるんだよ、と発信し続けたいとは思っています。

―ハーフというワードが出たのですが、その表現についてどう思われますか。インクルージョンや多様性が謳われる現代において、ミックスですと訂正することもあるのでしょうか。

YURISA:アメリカでは、ミックスと表現するのがごく一般的ですね。けれど、日本でミックスと言っても伝わらないのではないでしょうか。母は、ハーフという言葉が嫌、と言って、「うちの子は半分ではなくダブル(2倍)と呼んでください」と言っていましたが。

―素敵なお母様ですね。

YURISA:まわりの人は、“ミックス? ダブル? 何の話?”といった感じでした。ただ思うのは、日本において“ハーフなんですね”と言っている人も、ハーフに半分という意味があって使っているのではないと思います。そういう名称というか、あくまでも呼び名になって使われているのだと思います。元来の意図も含め時代が変わって、ハーフの子たちに、自分たちが半分という感覚もないし、ハーフという言葉や定義にマイナスな印象を持つ人も少なくなっている。ですから、私個人はハーフという表現に特段に反応したりはしないですね。ただ、私はそうであっても、それが嫌で傷つくと感じる人が多いのであれば、本来の意味に近いミックスが広がっていけばいいな、とは思います。

―ユリサさんがしている発信に、正しい影響力があるからいいですね。

YURISA:ミックスと言って、みんながわかるなら、それがいいと思います。日本でハーフに悪い意味はない、とハーフという言葉が肯定的に浸透したとしても、アメリカでは和製英語なので通じないですしね。私自身は(どう言われるかは)あまり気にしていないのですが、言葉に共通性がうまれるといいな、と思うので、私のインスタの投稿ではミックスの表現を使っています。「私はミックスガールです」といった。また、私のフォロワーさんの多くは、“そういった”感覚や興味を持っている人が多いので、きっと伝わるはずと思って、使う言葉を選んでいます。街なかで急に、ハーフなんだね!と言われても、そうです♡とお答えしていますよ。

―これまでのお話のなかでキーとなるワードがいくつかあったと思うのですが、ご自身にとって大切にしている言葉や、どのようなことに気を付けている、などはありますか。

YURISA:お仕事において、ずっと昔から気をつけてきたのは、「オンナの子がステキと思うかどうか」です。だから、ゴーゴーダンサーをしていたときも、下着は見せてもビキニは見せない。アンダーウェアのファッションショーは出るけど、ビキニで踊りはしない。この違い、伝わりますでしょうか。男性にとってはさほど違いがないかもしれないけれど、女性にはわかると思います。その下着とビキニでの表現の違いが。私の発信のディレクションは、女性がどう思うか、で決定しています。女性にカッコいいって思ってもらえるかどうか。女性たちからどんな反応があるかどうか。時折、男性からのみの反応が殺到して、“間違えたかもー!”となることもあるのですが。思惑から外れることもあるけれど、女性からの共感を常に意識しています。

―お仕事において、とおっしゃっていましたが、では仕事や働くことの定義そのものはいかがですか。

YURISA:私の定義は、「人によい影響をもたらすことができるかどうか」ですね。インフルエンスの方法ややりがいは、常にそこにあり、人に喜んでもらえるか、に尽きます。「ユリサちゃんのおかげで自分を嫌いじゃなくなりました」、「いまの自分でもいいじゃんと思えるようになりました」などのメッセージをもらうと、モチベーションがあがりますし、一番うれしいですね。そういう影響を与えられる人であり続けたい、と思っています。

―お仕事において、とおっしゃっていましたが、では生きているうえで、何をしているときが一番豊かだと思いますか。

YURISA:すべて繋がっているのかな。やっぱり、そもそも人のために何かをするのが好きなんだと思います。「こうしたら喜んでくれるかな」、「このようなことが好きなんじゃないかな」と考えて、それで何かを創るのが好きです。それが個人や企業など、対象の相手にかかわらず、相手が喜んでくれるかも、と想像することがモチベーションですね。見つけた長所をどうやったら、もっとみんなに知ってもらえるか。私の感じているワクワクを広めていけるか。それが多くの人に届き、喜んでもらったとき、一番幸せを感じます。

―ポジティブさを広めるというのは、この媒体のテーマです。ミューズ、女神またはどんな人が美しいと感じますか。

YURISA:自分を構成するあらゆる要素、肌、年齢、体型を含めて、いまの自分が好きと言える人は輝いているから、自分のことを愛せる人は強くて美しいと感じますね。自分のダークサイドをリアルにさらけ出せる人は、女神のようにステキです。自分のそういう部分を出すことで、誰かの救いになる発信ができる女性は女神的だと思います。


婚約破棄、摂食障害、夢の挫折、つまらない、普通の人、いじめられっ子。こういった言葉にあなたはどのような印象を抱くでしょうか。それが、あなたの人生を表現する言葉だとしたらどうしょうか。「ネガティブなことは人生だから起きる。そしてそれらを味わい尽くす。でも、そのあとは自分がネガティブそのものにはならない。ネガティブに身を置かない。」どんな“ネガティブ”が起きようとも、私たち自身の人生そのものを肯定することはいつでもできる。「ネガティブもあるほうが人生はカラフルだし、苦労に果敢に挑む映画の主人公のように、あえてドラマティックになってみたりするんですよ」と話すユリサさんの笑顔や言動に接していると、勝手に“印象や意味”を植え付け、そしてそれらに縛られているのは、私たち自身であることに気づかされます。

YURISA・ソーシャルメディア・コンサルタント
Yurisa Profile
■ユリサ
京都府出身。6歳からモデル、歌手、タレント、ダンサー、俳優として日本で活躍する。2015年よりアメリカ・ロサンゼルスをベースに、インフルエンサーや現在の肩書きであるソーシャルメディア・コンサルタントとして活動を開始。50歳でアメリカに移住したたむらけんじさんらと国際的でバイカルチャルなコンテンツを発信中。
@yurisa



取材・文/八木橋恵

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